幼馴染はイケメン高学歴リア充、だけどぽっちゃり喪女の私に夢中でなかなかの変態だからもったいない。

茜琉ぴーたん

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episode:12…好きじゃなくて

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「…だって、そもそもがお前の保身だし釣り合わね」

「周りの評価とか気にするタイプだっけ?小ブタちゃんのくせに」

「……」

「幼馴染みで珠ちゃんは刷り込まれた性癖だよ。精通だって夢に見た珠ちゃんだった。会えなくなったからそれまでだと思ってたけど再会できた、それが運命だって言ってるんだ。本当言えば生活圏が同じなんだからスーパーとかで珠ちゃんを見たことだってあったよ、でも声掛ける理由が無いから視界に入らないようにしてたんだ。あの日、駅で会ったあの日、元カノとのエッチが差し迫ってたあのタイミングで珠ちゃんに会えた、それが巡り合わせだって思ってるんだ!会わなけりゃそのままだったよ、でも会えたのに意味があるんだ…理由が要るなら作ってやる、ボクは珠ちゃんをずっと想ってた、だから偶然の再会で声を掛けた、これで良い?ボクは……珠ちゃんが好きなんだ、ボクに溺れきらない珠ちゃんが好きなんだ、強くてたくましくて媚びない…欲を言えば太ってる珠ちゃんが好きなんだ、今さら他の女で勃つもんか!帰っちゃうなんて寂しいよ、ずっとここに閉じ込めておきたいよ…寂しいんだ…」

「猟奇的だな」

「そんな感想しか持てないのかよ、馬鹿、珠ちゃんの馬鹿!学費泥棒!3日坊主!ヒソウ!」

「精神攻撃やめろ。待って、ヒソウって何」

肥壮ひそう、太って元気なこと」

「……褒めてんのか」

 間抜け面で白目を剥けば、篤人はそのまま私を捕まえて抱き枕のようにがっちり挟み込む。

 こういうところが愛情より執着心を感じて恐いんだ。

 熱いモノを擦り付けてくるのだって狂気を感じるし恐怖さえ覚える。

「…珠ちゃんはボクに恩を感じてるかもしれないけど、そうしてでも繋ぎ止めておきたいのはボクの方なんだ。だからこれまでのエッチも全部記録に取ってあるし奢った分の領収書も保管してある」

「…あのさぁ」

「逃がさない、理由なんて何だって良い、ボクは珠ちゃんに付き纏うって決めたんだ」

「きんもー…」

「ボクをフれる立場なの?ん?ご家族の前で上映したって構わないんだよ」

 奴が指すサイドテーブルの上には立て掛けられたスマートフォン。

 情事はおろかこの脅迫まで記録に残っているというのに篤人は上から目線をやめなかった。

 しかし記録に取ったって観直したりはしないんだろうな、本人も言っていたようにオタクゆえにコンプリートを目的とする収集癖が騒ぐから何百回と同じことを繰り返せるのだろう。
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