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episode:3…君に決めた
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しおりを挟む「ただい、まぁ、はぁ…」
最短距離を推定過去最速ラップで帰って家の裏口へ着ける。
勝手口から上がり、台所で水をコップに目一杯注いでがぶ飲みした。
「…ぷはッ…ハァ、ハァ…」
家は知られているが中までは入って来ないだろう、訪問して来たとしても扉を開けなければいいだけだ。
「まじ…なんだあいつ…宇宙人かよ…」
確かに過去には篤人は嫌いではなかったし突然求愛されるなんてイベントは拗らせ厨二心にはグサグサ刺さる案件か。
しかし奴は消去法で私を選んだに過ぎずしかも偶然再会したから発案したという行き当たりばったりの作戦だ。
つまりは私でなくても良いのだ。
練習台であり秘密の共有者でありセフレ…私はまだ子供だしとびきり美人ではないが、そこまで人生を諦めていないし舐めてもいない。
自分を月々の小遣い程度で売り渡すなどご先祖さまに顔向け出来ないし、将来思い出して項垂れる黒歴史になること間違いない。
「…可愛いってのも…お世辞だったんだろうなぁ…」
誰にも見られずに済んで良かったな、良い仕事をしたリュックから英和辞書を取り出して通学カバンへと戻す。
部屋へ上がろうかと階段へ片足掛けた時、カタンカタンと表の側溝のフタの鳴る音がして自転車のブレーキ音が聞こえた。
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