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episode:10…質量保存
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しおりを挟む私は言われた通りのこのこと花柄の壁に向かい手と額を付けると、
『♪~♪~』
「わっ」
突然の電子チャイムに驚いた。
でも篤人は「あぁ」と呟いて、でも手を止めず私の方へと向かって来る。
「篤人、何か鳴った」
「ルームサービスだよ、食事頼んだから」
「え、どうすんの」
「このまま取りに行くよ。ほら、挿れるよ、いただきまーす♡」
「あッ」
尻肉を掴んで挿入すればまた新たな感触に素直な声が漏れる。
篤人は私の腰を捕まえて「こっちこっち」と入り口扉へと先導させる。
ルームサービスってホテルの人がそこに待ってるのか?床に置いてあるのか?廊下に出なきゃ駄目なのでは。
監視カメラや他の客に見られることを心配する私に篤人は
「ドア開けてよ」
と声を落とした。
「あづど、やだ、」
「何で?お腹空いたでしょ?ほら」
「あッ、誰か居んじゃねぇの?…見られ、ぢゃゔ、やらぁ、」
「嫌なんだ、可愛い、珠ちゃんの恥ずかしいところ、僕と繋がってるところ、色んな人に見てもらおうか」
「やらァっ…篤人、やらッ」
すんすん泣き出したらさすがに篤人も萎えたのか自分からドアノブに手を伸ばして、躊躇いも無く開扉した。
廊下に流れるBGMの音が大きくなって、浮世と現世の境界が混じり合う。
篤人は誰と会話するでもなく手を伸ばしてカラカラとキャスター付きのワゴンを引き入れた。
「あつ、と……?」
「ほら、唐揚げとポテト。珠ちゃん好きでしょう?」
「…出なくて良いの?」
「これを置いて帰るんだよ。スタッフと顔合わせたくないでしょ」
「…篤人、馬鹿…で、出なきゃいけないのかと、思っ…ふえぇ」
「ごめんごめん、直接応対するホテルもあるだろうけどね、インフォメーションに書いてあったから知ってたんだ。ふふ、食べよう、これは上のお口でね」
さらりとキモいことを言う篤人は5個ある鶏の唐揚げをひとつだけ摘んであとは私にどうぞと捧げる。
そしてその割に咀嚼も出来ないくらいにガツンガツンと責め立てた。
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