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epilogue…
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しおりを挟む「………ごめん、萎えちゃったから一旦抜くね」
「うん…」
「ふー……子供かぁ…」
「……」
結婚を迫って逃げ腰になる男のエピソードは耳にしたことがあるけどそのようなものなのか。
所詮篤人も俗物なのかとガッカリ感が湧く。
是非に欲しいという訳でもないが結婚すれば子作りも当然考える事項だろう。
能力の有無はさておき…もちろん「作らない」という選択肢もあるがあまり想定してなかった。
ベッドの上で胡座をかいた篤人は「うーん」と唸って考え込み、
「嫌なんだよね」
と話し出す。
「何、が?」
嫌とは何がだ、子供は苦手だったか、そんな素振りはこれまでにあっただろうか。
甥や姪とは交流があると聞いているし毛嫌いするほど避けているようにも思えない。
篤人は目を閉じて数秒、また唸って手で顔を隠し
「ボクへの愛情が減っちゃうじゃん、ただでさえ少ない珠ちゃんの愛が」
と子供みたいな言い訳を放り出した。
「…は?」
「赤ちゃんってお腹で十月十日過ごすんでしょ?珠ちゃんの体液に浸って栄養も貰ってさ、ヘソで繋がってさ。ボクだっておちんちんで繋がってもせいぜい1時間だよ?絶対羨ましくて妬んじゃうよ」
あぁそうだこいつは変態なんだった。
掛ける言葉を失って白い視線を向け、しかし次第に可愛らしく感じてくるので情とは侮れないものである。
「はぁ」
「悪阻で吐いたりするんだよ、また痩せちゃうじゃん。それに痛い思いするんだよ。ボク以外が珠ちゃんを痛がらせるとかちょっと無理だよ」
「お前でも無理だよ」
「それにおっぱい、ずーっと付きっきりでおっぱいあげるんだよ?ボクが吸い付いても怒られるのに堂々と吸ってしかも珠ちゃんの体液を摂取するんだよ」
「体液体液言うなし」
「男の子だったら余計に嫌だ、ボク以外におっぱい吸われてる珠ちゃん見るの嫌だ」
「じゃあ見るな…え、それで嫌だっつってんの?」
「そうだよ!」
ぷうと頬を膨らませる仕草はそれこそ子供のよう。
篤人は枕に顔を埋めて動かなくなった。
「……」
これは参ったな、言いくるめて子作りしてもこいつが子供返りして私の手を煩わせるパターンのやつだ。
産んだ覚えの無い長男ってやつ、何かにつけて私の気を引こうと面倒を起こして世話をさせようとするに違いない。
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