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episode:12…好きじゃなくて
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しおりを挟む「その発想がキモいんだわ」
「珠ちゃんオタを舐めんなよ」
「いや、脱帽だ」
「ちなみに500回以上はエッチしてるからね。ハードディスクぱんぱんに珠ちゃんとボクの愛が詰まってる」
「おい、それ死ぬ前にドリル打っとけよ」
「当然コンドームもそれだけ使った、マークを集めて応募できるキャンペーンの時なんかいっぱい送っちゃったもんね」
「…何か当たった?」
「3万円当たったからゲーム買った」
「良かったな」
馬鹿馬鹿しいが本当にこいつは私に夢中なんだな。
一緒に居て楽しくて和んで気負いも緊張もしなくて済む…家族のような存在になっているみたいだ。
しかし話題が逸れたのが気に食わないのか篤人は首輪を持ち上げて、
「珠ちゃんを繋げないならボクを繋いでくれよ、ボクは浮気なんかしない、『するな』って指図して」
と巻くように私へ突きつけた。
何がそこまで篤人を私に溺愛させるのか分からない。
困惑していると奴は自分で細い首にそれを装着する。
しかしこちらは「はい」と手にリードを持たされても引き回そうなんて思えない。
もったいない、ここまで私に愛をもたらしてくれる男はきっと今後現れはしない。
それが分かっているのに奴の沼に入ることができない。
「篤人」
「珠ちゃん、好きだよ」
「……」
「何が障壁なの?性格上ラブラブな雰囲気は出せないにしてもエッチ中はもっとデレて欲しい」
「だって」
「ここにはボクと珠ちゃんだけだよ。ボクらを批評する人なんて居やしない」
「……うん」
「ボクらに格差なんて無い」
「うん」
手綱のようにリードを引いて篤人を近付けて口付けを、これには驚いたのか奴は一瞬だけ目を見開いて後は犬みたいに私の口周りをぺろぺろと唾で濡らしまくった。
「珠ちゃん、珠ちゃん♡」
「馬鹿、あ、もうッ」
「命令して貰おうと思ったけどもう良いや、珠ちゃん、おちんちん挿れて良い?」
「…うん、あ…『待て』、篤人」
「くぅん」と喉を鳴らした篤人は舌を出してスキンを装着する。
止めなければそのままシていたのだろうか、どこまでも予測できなくて面倒で面白い。
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