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episode:11…本当はね

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 月曜になると昼から学校に少し顔を出して、授業の概要だけ確認した。

 落ち着けば理解が追い付くかと思いきや、休んでる間にどんどん先へ進んでいたのでもうお手上げだった。

 講師も心配はしてくれていたが、脱落する生徒も毎年それなりにいるのだろうかあまり深刻そうに励ましてないような気がする。

 軽はずみに夢見た者の末路だ。

 それでもすぐに辞めようとは思えずに週末までしっかり通学して授業を受けたし課題も取り組みはした。

 例の嫌味な姫に関してはもう気にならなくて、負けじと無視すると近付いても来なくなった。


 篤人あつととはその間連絡が夜から朝に変わり、次の土曜日…またアパートへ訪ねて来てくれた。


『もしもし、たまちゃん、お泊まりできる荷物持ってちょっと出ておいでよ』

アパートの下から電話でそう言った篤人は、私が荷造りをして降りて行くとそのバッグを提げて駅方面へと歩き出す。

「篤人、どこ行くんだよ」

「駅前のビジホ。ラブなホテルでも良いけど、エッチばっかりしちゃって困るじゃない?」

「は、なに?わざわざホテルに?」

「お休みの日は一緒に居てあげたいんだ。エッチはしなくて良い、一緒に居て、お世話したい」

至れり尽くせりの生活ということか。

 しかしアパートは留守中も家賃が発生してる訳でもったいない気がした。

 そしてホテル住まいなら費用も掛かる、

「…お金下ろさなきゃ…」

とATMを探そうとすると

「良いよ、バイト代あるから」

と繋いだ手にぎゅっと力を込める。

「この前も奢ってもらったじゃんか、悪いよ」

「良いの、珠ちゃんのために稼いできたんだ」

「……」

嫌な予感がする、何か吹っ切れたかに見えるその笑み。

 高校を辞めると言い私の学校に来た時と同じ雰囲気を感じた。

 そういえばいつもより顔立ちがシャープで肌も整っている、私と対照的に充実感に溢れる顔だ。
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