幼馴染はイケメン高学歴リア充、だけどぽっちゃり喪女の私に夢中でなかなかの変態だからもったいない。

茜琉ぴーたん

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episode:9…救世主

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 シャンプーしてきちんと洗顔して産毛うぶげを剃って、浴室の鏡で改めて確認した私はかつての面影が無いほどに痩せこけていた。

 劇的に細くなった訳ではなくて頬と肢体の張りが無くギスギスした感じ、数日まともに食べてないだけで『トド』を返上できるなんて驚きの痩身術だ。

 風呂上がりに体に巻いたバスタオルも以前より余白がある。

 体感では太巻から中巻きくらいにはなれた気がする。


「…篤人、」

「できた?さっぱりしたね」

「…篤人、私、なんか痩せてる」

「だから言ってるじゃん、でも美しくないよ。不細工だ」

「……!」

 太っていても可愛いと言ってくれたし「デブだけどブスじゃない」と言ってくれた奴がついに私を非難した。

 最後の救いに突き放されてうるうると涙が溢れた。

「…泣かないでよ…今の珠ちゃんは可愛くないよ、不健康だ」

「やだ、篤人は可愛いって言えよ…」

「ボクはコロコロ太っていつも笑ってる珠ちゃんが好きなんだよ、今の君はボクが好きな珠ちゃんじゃない」

「ひどい…」

「ふー……ゴミはこんなもんか…出して来るよ。管理人さんに学生証返してもらうからもう上がって来ないよ。適当に着替えて、外でご飯にしよう」

篤人はたっぷりのゴミ袋を担いで、「待ってるよ」と笑って出て行く。


 私はTシャツとジーパンに着替えて髪の毛を乾かして、化粧もせずにまこと久々のお外へと飛び出した。
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