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episode:12…好きじゃなくて
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しおりを挟む「あー、ご馳走さまぁー…気持ち良かったぁ♡どうだった?家畜プレイ」
「コロスぞ」
「ん?そんな強気で良いのかな?」
「……ぶぅ」
「あははっ♡嘘だよ、ごめんごめん…虐げるエッチもしてみたかったけどあんまりかな、普通にラブラブするのが良いね」
篤人は首輪を外して済まなそうな顔をする。
これはたぶん100円ショップとかで調達したものだろうか、合皮の首輪はフチの加工が甘くて擦れて痛かった。
「の割に飼い主ヅラが堂に入ってたけどな」
「ふふ…護るのと従えるのって違うね…してみたいとは思ってたんだ、ボクなりに珠ちゃんにイライラしたりすることもあったりしてね、ギャフンと言わせたいとか思ったり…でも萌えないや、ボクにデレたら珠ちゃんじゃないもん」
こいつは初めから力尽くと言うか強引に事を進めてきたのに好かれるのは求めてないのか。
何とも腑に落ちないが私も「付き合わされている自分」に慣れてしまっているので方向性は合致しているかに思える。
「…私は、篤人のこと好きだけど…その、甘えたりとかはできねぇ…いや、経済的にも甘えてんだけどさ」
「ふふっ、うん、その媚びない感じが良いんだ。ほらボク、媚びてくる美人には慣れてるからさ」
「…媚びないブスが良いのかよ」
「だから、珠ちゃんはブスじゃなくて、デ・ブ♡」
「コロス…もうデブじゃねぇし」
「また太らせてあげるよ、もっと増えて欲しい」
首に付いた痕を指で摩ってぺろぺろと舐めて、そのくすぐったさにぐにと竦めても篤人はスッポンみたいについて来た。
「……」
篤人はもう1泊するのだろうか、私は明日アパートに帰ってそこから実家に戻る予定だ。
父に頭を下げて事の顛末を説明しなければならない。
そして翌日にはムラタへ採用面接を受けに行く、交通手段は考えてなかったが自転車でも頑張れば30分ほどで着くだろう。
すんなり決まれば出勤日までに東京に戻って引っ越し準備だな、待遇はパートタイマーだから月の休みもそこそこあるはずだ。
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