56 / 85
episode:10…質量保存
56
しおりを挟むそれから篤人は私の腰を強く抱いたまま電車にひと駅だけ乗って、降りてすぐのラブホテルへと私を連れ込んだ。
「…ここ知ってた?」
「珠ちゃんの家に来るまでに調べたんだ。そろそろボクもエッチしたかったし」
「なら私から言わなくても同じだったんじゃねぇか」
「そう?より望む方が頼むべきだよ」
篤人はニタニタと服を脱ぎ落としてとっとと丸裸になる。
「ほら」と急かされて私もダサいシャツとジーンズを剥いでいく。
ホテルは初めてで勝手が分からない、けれど篤人は時間を惜しむように私の手を取りベッドへと引っ張った。
「珠ちゃん、どうして欲しい?」
「え、あの、エッチ、したい」
「あぁそう、突っ込むだけで良いんだね?」
「……キスもしたい」
「うん、それだけ?どうすれば良い?」
ちゅっちゅと濡れたリップ音がオルゴールのBGMにマッチするようで混じらない、篤人は私の鎖骨に耳を付けてピンと指で乳首を弾く。
「うわっ」
「…珠ちゃん、感じる?」
「え、いや、驚いただけ…」
「そう?じゃあここは?こっちは?」
発掘調査でも行うように篤人は私の痩せた体の上を嗅ぎ回っては性感帯を探索し、内腿にくすぐったさを感じて身を捩るとそこばかり重点的に責め始めた。
「ここが良いんだ、贅肉が減って神経に触れ出したのかな」
「しつれいっだ、なァっ…ッあ、」
「嫌なくすぐったさ?違うよね、気持ち良いよね?」
「わがんね、ェ…あ、」
「後で背中も試そうねー…それで珠ちゃん、どうして欲しい?」
前みたいに好き勝手してくれれば良いだろ。
そう伝えているのに篤人はなかなか枕元のコンドームに手を掛けずその股間もいまいち勃ちあぐねている。
まさか痩せた私では興奮しないのか、気持ち悪いのか。
ぐじぐじ鼻を鳴らせば篤人はティッシュを2、3枚取って渡してくれた。
0
お気に入りに追加
54
あなたにおすすめの小説

ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

婚約者が巨乳好きだと知ったので、お義兄様に胸を大きくしてもらいます。
鯖
恋愛
可憐な見た目とは裏腹に、突っ走りがちな令嬢のパトリシア。婚約者のフィリップが、巨乳じゃないと女として見れない、と話しているのを聞いてしまう。
パトリシアは、小さい頃に両親を亡くし、母の弟である伯爵家で、本当の娘の様に育てられた。お世話になった家族の為にも、幸せな結婚生活を送らねばならないと、兄の様に慕っているアレックスに、あるお願いをしに行く。

黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる