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episode:7…好きなことで食っていく
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しおりを挟むくったりした篤人は引き抜いたコンドームをぶら下げて私の頬をペチペチ叩き、私の眉が吊り上がるとくしゃっと顔を崩して脱力した。
「ご馳走さま……摩擦に慣れちゃったかぁ…エッチし過ぎたのかな」
「めちゃめちゃしてるもんな」
「…それよか珠ちゃん、また痩せたでしょ。良い加減にしてよ」
「あ?そう?」
篤人は私をデブ呼ばわりするけれど、この高校生活で私の体重はするすると落ちてついにBMIで言うところの適正体重を切ったのだ。
自転車という通学手段が私には適した運動方法だったようで見た目にも変わった。
毎日見ていると分からないものだが入学当時の写真と比べればその差は一目瞭然だった。
顔がすっきりしたしスカートのウエストが緩くなった、二の腕や太ももも細くなって冴えないなりに普通の女子高生になれた。
これで「デブ」と形容すればそれは確実に虚偽だ、痩せては無いが太ってもない健康的な体格になったのだ。
「バックで突いた時に跳ね返す肉が良かったのにぃ」
「お前がデブデブ言うからだろ、まぁ特別なダイエットした訳じゃねぇけどよ」
「はぁ…どうしよ、珠ちゃんも元カノみたいに気持ち悪くなっちゃったら」
「そん時は新たなデブを探せよ」
「もうっ」
篤人の体が元カノジョさんの体を拒否したのは彼女が痩せていたからなのか、それとも小慣れた喘ぎ声が駄目だったのか。
あるいは合わせ技なのか…デブで塩対応な私で訓練したために体がイレギュラーなパターンを覚えてしまって上書き出来なくなったのだろうか。
「私を覚えちまって上書き出来ないとか…DVD-Rみたいだな、ははっ」
「そうだね、ボクのち◯ぽは珠ちゃんのおま◯この味をラーニングして覚えちゃったから他では満足出来ないんだ」
「お前は青魔導士かよ…下品だな」
「…出来れば一緒に…気持ち良くなりたいよ、珠ちゃん…」
「うん…そんな辛そうな顔をするなよ」
濡れた唇を重ねれば、母親の乳を探す赤ん坊のように篤人はむぐむぐ口を動かして私の唇の裏どころか口の中まで食おうとする。
自分だけが気持ち良くしてもらっていることに負い目を感じるんだろう。
どこかに性感帯が無いものかと躍起になりあちらこちらを探検するのだ。
きっと気持ちでどうにかなる問題ではないのだろうな、かと言ってクリニックで治療してもらうほど悩んでもないし調べてみると手術だの何だのと書いてあってビビっている。
改善が見込める体操だけ始めてはみたが、今のところ目覚ましい進歩は表れていないようだ。
「心理的な要因もある」とも書いてあったがそれは私が流れで篤人と付き合っているから感じないということだろうか。
心から好きになったら迸るほどに愛液が漏れたりするのだろうか。
ちなみに好きでもないのに抱かれることの是非はもう議論の対象にはしないで欲しい。
私にとっては篤人とのコミニュケーションのひとつであり会話の中の動作というだけで、自分が尻軽だなんて思ってもいない。
ゲームをするとかテレビを観るとかそんなことと同じ、私は自身の体にそれほどの価値も見出してなければ都合の良い肉便器だと蔑むほど卑下もしない。
篤人が嬉しそうだから提供するし悦ぶから参加する会合みたいなもの、近況報告とかミーティング感覚…共同タスクとかギルドクエストみたいなものだ。
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