顔が怖いことで有名な魔術師はショタに目覚めた！？

1◆アイザック視点

森の奥深くで一人暮らしをしている私は、アイザックだ。

昔、クロイツ家という貴族だった。

もう絶縁しているが………。

私は生まれつき顔が……ものすごく怖い。

実の親には、呪われているのではと疑われ神殿で鑑定されて異常はなかった。

実の兄にはチビられ、実の弟には泣かれた。

使用人達なんて……まるで幽霊をみたように悲鳴をあげて逃げていく。

成人年齢の16歳になったら絶縁する話を両親からされて、当時8歳だった私は………。

「だったら、住む家を森の奥深くに作ってください。家が出来たら、今からでも絶縁して出て行きますから」

………家は早急に作られて、私は8歳で家族と絶縁した。



私は、魔術の才能があったから魔術師になって生活していた。

町に行くときは仮面をつけて、作ったポーションなどを売り少しでも金を稼いだ。

庭に畑を作り、なんとか子供の身で生きてきた。



今の私は24歳。

あれからずいぶんと時が流れた。

町の心無い者は噂をしている。

『森の奥深くには、世にも恐ろしい醜い化け物が住んでいる』

小さな子供になんて………。

『悪さをした子供は森の奥深くに住む化け物に拐われて、頭から骨も残さず食べられる』



私はいつの間にか、人間が嫌いになっていた。

顔が怖いだけで、どうしてこんなに嫌われないといけないんだ？

心無い噂を言われ、子供への脅しにも酷いことを言われ、私が人間を嫌いになるには充分だろう？

人間に復讐したい気持ちすら私にはある。

しかし、そんな虚しいことをしても私は報われない。

そろそろ私のメンタルは限界だ。

………自害を本気で悩んでいる程だ。



ある日。

その日はなんの前触れなく訪れた。

家の扉がノックされた。

この家に誰かが来たことはない。

………イタズラですら、森の奥深くだと誰もしに来ない。

そんな家に、一体誰が来たのだろうか？

私が扉を開くとそこにいたのは………。

「お兄さん！僕はルーチェっていう名前で、7歳だよ！お兄さん、僕と結婚してください！」

ちょっとみすぼらしい姿の、満面の笑顔のショタだった。