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73◆ルミナス視点

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「ターニャ………?」

久しぶり会えた彼女は、何故かマッチョの人形に取り憑き、SMの女王様(マッチョな男人形)になっていた。

「ルミ……ナス……?」

人形に取り憑いたままのターニャは、驚きの表情をしていた。

チェルシー達に頼み込んで、僕はターニャに会わせてもらったんだ。



今は人形館と言われる、変わり果てた屋敷。

あそこはターニャの家だった。

思い出したんだ。

僕は人間だった。

けれど、病気で若くして亡くなってしまった。

僕とターニャは深く愛し合っていたから、きっとたくさん泣いただろう………。

けれど………。

どうして僕は、人形になってしまったのだろうか?

屋敷には、当時はなかった人形が何故かいっぱいあった。

手作りの人形はいっぱいあって、それらは僕に少し似ていた。

………もしかして、僕の人形を作ろうとしていたのかな?

そして、その完成形が僕なのかな?

ターニャが、僕を思って人形を作っていたなら………それはとても愛しい行為だ。

でも、どうしてターニャは亡くなったんだ?



どうして、屋敷はダンジョンになんかなってしまったのか?

それは………きっと僕の無意識だったのだと思う。

僕は……動くための力を無意識に求めていたんだ。

お腹を空かせていると思っていた。

でも、それは違っていた。

………人形はお腹を空かせない。

僕は、ターニャを思い出せなくても……彼女を求めていた。

だから、動くための力を……魔力を求めていたんだ。

人間が欲しい……それは、たった一人の彼女を求めていただけだった。

ターニャの名前を聞いて、やっと僕は僕を思い出せたんだ。

思い出したら、身体が動けるようになっていた。

無意識に、力を溜めていたのかもしれない。

僕の得意魔法は転移だった。

だから、無意識にターニャの屋敷に罠を張っていた。

魔力を奪うための……食べるための人間を拐うために………。

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