上 下
72 / 77

70◆チェルシー視点

しおりを挟む
それは、夢なのか現実なのかわからない世界でした。

一人の青年が、一人の少女と笑っています。

「本当に君は変わっているね。それでも令嬢かい?」

「あら?筋肉は素晴らしいのよ!尊いのよ!貴方もムキムキマッチョになってほしいぐらいだわ!」

少女は楽しそうに、筋肉の素晴らしさについて熱く語っていますね。

それを、愛しそうに青年はみつめていました。

とても仲の良い二人ですね!



場面が変わります。

それは、少女が青年の遺体に涙を流す姿でした。

「嫌よ……貴方を失うなんて嫌よ……!」

青年の遺体はベッドに静かに横たわり、それは眠っているようにしかみえません。

「ねぇ……私を許して………。私は貴方の死を許せないの………。例え……貴方に恨まれてしまったとしても……私には、こうすることしか思い付けない………。愛しているのよ………ルミナス」

少女の悲しみの瞳が、何かを決意した瞬間だったのでしょう。



また場面が変わりました。

ガラスの棺桶に、青年の人形が静かに眠っています。

少女は、寂しそうに……けれど愛しそうに棺桶を撫でました。

「私に後悔はないわ。もう貴方に会えないけれど、貴方が生きているなら私は満足なの。貴方に恨まれても、貴方に忘れられても、私は貴方を愛しているわ。私の愛しいルミナス。貴方だけは……生きて………」

棺桶に口付けた少女は、静かにその場を去りました。

少女は、どこに行ってしまったのでしょうか?

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

呪う一族の娘は呪われ壊れた家の元住人と共に

焼魚圭
ファンタジー
唐津 那雪、高校生、恋愛経験は特に無し。 メガネをかけたいかにもな非モテ少女。 そんな彼女はあるところで壊れた家を見つけ、魔力を感じた事で危機を感じて急いで家に帰って行った。 家に閉じこもるもそんな那雪を襲撃する人物、そしてその男を倒しに来た男、前原 一真と共に始める戦いの日々が幕を開ける! ※本作品はノベルアップ+にて掲載している紅魚 圭の作品の中の「魔導」のタグの付いた作品の設定や人物の名前などをある程度共有していますが、作品群としては全くの別物であります。

混沌の刻へ

風城国子智
ファンタジー
ファンタジー長編。 困り果てた少女に手を貸すだけだったはずの冒険者たちは、知らず知らずのうちに『世界の運命』に巻き込まれてしまっていた。 ※小説家になろう、pixiv、BCCKS掲載。

ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ

高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。 タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。 ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。 本編完結済み。 外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。

魔獣っ娘と王様

yahimoti
ファンタジー
魔獣っ娘と王様 魔獣達がみんな可愛い魔獣っ娘に人化しちゃう。 転生したらジョブが王様ってなに? 超強力な魔獣達がジョブの力で女の子に人化。 仕方がないので安住の地を求めて国づくり。 へんてこな魔獣っ娘達とのほのぼのコメディ。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

異世界風聞録

焼魚圭
ファンタジー
 目の前に広がる見覚えのない景色は見たこともない村。  幹人(みきひと)は村に住む男に見つかってしまいいきなり襲いかかられる。  逃げた先に立っていた魔女のリリに助けを求めることでどうにか助かったものの、そこは森の中に近所の街は寂れた場所で――  これから幕を開けるは街に蔓延る噂話や幹人とリリの恋愛と冒険にて綴られし物語! ※本作品は「ノベルアップ+」「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しております。

闇の胎動

雨竜秀樹
ファンタジー
ハイファンタジーの習作です。 思い浮かんだ、いくつかのエピソードを短編集形式で掲載しています。

この世界で生きていく

Emi 松原
ファンタジー
ギア王国に伝わる、歴史の絵本。そこには、三つの種族の物語が、事実に基づいて書かれていた。知能に優れた、人族。身体能力に優れた、龍人族。治癒魔法に優れた、精霊族が、暮らしていたところに、破壊の限りを尽くす者が現れ、三つの種族は、全知全能の宝玉を使い、協力して、封印した。また目覚めた時には、協力して封印しなければならない。だが、龍人族と精霊族は、人族と手を取ることを望んでいない、と。  主人公のロキは、ギア王国で暮らす、人族の男の子。サポートロボットのチィと、幼なじみの、精霊族と人族のハーフの女の子、ルカと共に、王国孤児院で暮らしていた。  十六歳になり、適正な職業につくことになる直前、ロキは、祖父からだと、懐中時計をもらう。同時に、ロキとルカに、ギア王国からの使者が訪れ、龍人族と、精霊族が暮らす、ヴィーヴル王国へ、外交員という名の、留学生として向かうことを命じられる。それと共に、破壊の限りを尽くす者を封印する、全知全能の宝玉の情報を集めることも、命じられたのだった。 これはロキとルカが心を成長させ、真実と向き合うまでのストーリー。

処理中です...