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62◆チェルシー視点

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今日は、繁殖してしまったカエルの魔物の討伐依頼で沼地に来ました。

カエルの魔物の名前は、ゲコリーヌです。

微妙に可愛い名前ですが、大きさはスイカより少し大きめです。

そして、紫色で軽度の毒を持っています。

ちなみに、意外と美味しいんですよ!

何せ、食用カエルですから!



今回は、僕とラフィとシフォンとミーシャとギルバートの5人パーティーです。

ロワクレスとファルとルイスは、ちょっと用事があるらしいですよ。

ちなみにシフォンとミーシャは、今日はバイトはお休みです。



ゲコゲコ……ゲコゲコ……。

わぁ!いっぱいゲコリーヌがいますよ!

「今日はカエル料理いっぱいですね!」

「「「え」」」

ラフィとシフォンとミーシャが、目を見開いて硬直しています。

「チェルシー様、カエル料理は美味しいのかい?」

ギルバートは、笑顔で僕に聞きました。

「美味しいですよ!」

実際に食べたことはあるので、大丈夫です!

調理方法もバッチリですよ。

「カエル……食べるの………?」

ラフィが不安そうに聞いたので、僕は笑顔で頷きます。

「………毒あるよ?」

「ゲコリーヌの毒は、加熱で消えるので大丈夫なんですよ」

シフォンも不安そうに、毒があるのに食べるのかと疑わしげな眼差しです。

ゲコリーヌの毒は、加熱すると無害になる上に、加熱によって旨味成分に変わるんです。

不思議ですよね。

ちなみに、専門家によって安全性は高いですよ!

「カエル……カエルか……。大丈夫……チェルシーの作るご飯なんだから……大丈夫……大丈夫……」

ミーシャ……そんなに不安ですか?

自己暗示のように、ミーシャはブツブツ言っています。

確かに、見た目はグロいですけど、一度食べたら平気になると思うんですけど………。

「いらないなら、私が全て貰おうか?チェルシー様の愛のこもった手料理を!私がチェルシー様の愛を独り占めしてもいいんだね?」

ギルバートの余裕の微笑み。

………カエル好きなんでしょうか?

「「「いらないなんて言ってない!!」」」

見事、3人の声がハモりましたね!

ギルバートが、ちょっと残念そうにしていました。
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