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53◆ルイス視点

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姉さんの尊い犠牲になってしまったチェルシーには、すまないと思っています。

姉さんは元々女王様気質でしたが、SMのお店で働くようになってから……その女王様気質がパワーアップしているみたいなんです。

ギルバートのことを、躾のなっていない下僕……いや、駄熊と認識した姉さん。

まぁ……ドMだったり変態だったりと、実に調教し甲斐のある駄熊だったらしいです。



そして、目覚めたチェルシーに調教済みのギルバートを差し出し、最後の仕上げをチェルシー本人にさせる姉さん。

………姉さん、完全に楽しんでいますね。

チェルシーは初心ですけど、姉さんに気に入られたからには、ずっと初心ではいられません。

それに、なんだかんだ個性的な皆がいるので、素直に大人の階段を上る方がよろしいかと思います。



「すごいですよ!ムチをブンブンして攻撃をするのと、ナイフで攻撃するのを両方すると、攻撃力がすごく上がります!」

はしゃぐチェルシーが振り回しているのは、SM用のムチです。

馬の尻を叩く物に似ていますが、カテゴリーはSM用です。

姉さんの仕事道具でしたが、姉さんがチェルシーにあげたんですけど………チェルシーはSM用だと知らないんでしょうね。

そのムチと、ナイフの二刀流をするチェルシー。

斬新なアイデアですね!

そして、その足元には………。

「はぁはぁ……!チェルシー様!その一振りを私にもおくれ!」

チェルシーがムチをブンブンするのに対して、ギルバートが飢えた獣のように足元でうろちょろうろちょろしています。

………物欲しそうにおねだりをしていますね。

しかし、チェルシーはスルーしていますね!

チェルシーは初心ではありますが、慣れるのにも早いみたいなんですよね。

俺は、チェルシーに尊敬の眼差しを向けるのでした。
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