魔王なんですか？とりあえずお外に出たいんですけど！

14◆ルーチェ視点

俺は、最初に寝ていた客室で頭を抱えた。

ずっとくっついて匂いをクンクンクンクンとしつこく嗅ぐ変態(リオネル)は、この際どうでもいい。

アデル、本気なのか？

あの勘違いイカれ野郎(ジュリアナ)と、本気で結婚するのか？

俺は兄として、アデルの望みなら妨害はできない。

でも……でも……！！

納得はできない！！

うわぁーん！

俺のアデル～～～！！

まだ兄離れなんて早いよ～～～！！

俺は、心の中でうちひしがれた。

そして、俺がどんなに心の中でアデルへの想いを叫んでいても、リオネルは飽きずに匂いを嗅いでいる。

………匂いフェチなのか？

俺は考えた結果、ここでしばらく生活してあのジュリアナって奴が、本当にアデルを幸せに出来るか見極めてやることにした！

俺は手強いぞ？

アデルの兄ではあるが、母のような立場でもあり、父のような立場でもあるからな！

いびるつもりはないが、アデルを泣かせたらまた殴ってやる。

………それにしても、本当にクンクンしつこいな。

！？

「何下半身を膨らませてるんだ！？この変態！！」

「あん……もっと言って………」

ゾワッ！

うっとりした顔をして、股間が膨らんでいるリオネルの発言に………鳥肌が立った瞬間だった。