涙の悪役令息〜君の涙の理由が知りたい〜

ミクリ21

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12◆ルミナス視点

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『歪な神の運命を打ち破る力を!』

アーミュの声に、意識を浮上させるとステラベルが倒れていた。

確か……そうだ、リク!

「リク!」

リクの身体を抱き寄せると、タナトスが事情を説明してくれた。

どうやら、リクも運命に抗う力のある者だったらしい。

それで、アーミュが僕達にしたようにしたんだとか………。

「ルミナス、リクって………?」

「リクは……ステラベルは、前世の弟だったんだ………。僕が前世の兄だとわかって嬉しそうにしていたのに、操られて僕を突き刺してしまった」

リク……どうしてリクもこんな世界にいるの?

リクが幸せに生きていることを願っていたのに、こんなのってないよ………。

リクは僕が大好きだったから、きっと深く傷ついているはずだ。

僕は今までは深い絶望や悲しみを感じていたけれど、許せないという激しい怒りを歪んだ神に感じた。

リクを傷つけた神を許してはいけない。

リクの傷の仇をとってやる!

「悪魔は人の不幸を美味として食します。神を歪ませた原因の悪魔は、ルミナスさんやステラベルさんの不幸を自分好みの味にしてから食べるつもりだったんでしょう」

「その悪魔、八つ裂きにしてやる」

僕は、溢れる怒りを殺意に変えてメラメラ燃えるのだった。
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