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11◆ステラベル視点

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やめて!!

やめてよ!!

誰か僕を止めてーーー!!

僕が望まないことを、僕の身体は僕の意思を無視して続けていた。

ルミナスの真っ赤な血に染まり、それでも無表情の僕はルミナスを刺し続ける。



なんで、こんな酷いことを僕は急に始めたの?

たぶん、きっかけはルミナスが僕をいじめなくなったからのような気がする。

強制力が、何がなんでもルミナスが僕をいじめた展開を作ろうとしているんだと思う。

ルミナスに睨まれていないのに、睨まれたと被害者のように怯える僕。

ルミナスに転ばされてないのに、転ばされたと涙をみせる可哀想な僕。

今まで、そんなことを僕はしなかったのに………!

強制力のせいなのか、周りはルミナスの冤罪がわからないみたいで僕の味方しかしない。

タナトスだけはルミナスを庇ってくれたけど、誰もタナトスの言葉を受け止めなかった。



僕はルミナスが一人でいるのをみつけて、二人きりなら冤罪展開はこないだろうと近寄ったんだ。

「ルミナス様」

「ステラベル……」

あんな酷いことを僕は毎日しているのに、ルミナスは優しく微笑んでくれた。

あぁ、優しくなったルミナスはやっぱりお兄ちゃんに似ている。

雰囲気が一緒なんだよ。

「ねぇ、ルミナスは僕のお兄ちゃんなの?」

「え!?」

「僕の大好きなお兄ちゃん。僕のせいで死んだお兄ちゃん」

「リク……?」

「やっぱりお兄ちゃんなんだね!会いたかった………!!」

スラスラと言いたいことが言えて、やっぱりルミナスがお兄ちゃんだった喜びに浮かれて………僕は油断していた。

この世界の強制力が、僕の意思を無視することを………。

「お兄ちゃん……大好きだよ!だから………」

「リク?」

嬉しくて微笑みを浮かべていた表情が、す……と無表情になる。

身体の自由が僕の意思から離れて、操られていると気づいて嫌な予感がした。

お兄ちゃん逃げて!!

声を出せなくて、目の前の無防備なルミナスを僕は押し倒した。

何をする気!?

お兄ちゃんから離れてよ!

しかし、強制力は無慈悲だった。

「だから………僕のためにまた死んでね」

「え……」

僕は、持っていなかったはずのナイフをルミナスに突き刺し、何度も何度も繰り返し突き刺していた。

いやぁーーー!!

ルミナスは無抵抗で、僕に微笑みすら向けているのに、僕の身体は止まってくれない。

僕は自然に涙が溢れ続け、僕の心の抵抗虚しくタナトスが僕を止めるまで僕は止まれなかった。
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