11 / 21
11◆ステラベル視点
しおりを挟む
やめて!!
やめてよ!!
誰か僕を止めてーーー!!
僕が望まないことを、僕の身体は僕の意思を無視して続けていた。
ルミナスの真っ赤な血に染まり、それでも無表情の僕はルミナスを刺し続ける。
なんで、こんな酷いことを僕は急に始めたの?
たぶん、きっかけはルミナスが僕をいじめなくなったからのような気がする。
強制力が、何がなんでもルミナスが僕をいじめた展開を作ろうとしているんだと思う。
ルミナスに睨まれていないのに、睨まれたと被害者のように怯える僕。
ルミナスに転ばされてないのに、転ばされたと涙をみせる可哀想な僕。
今まで、そんなことを僕はしなかったのに………!
強制力のせいなのか、周りはルミナスの冤罪がわからないみたいで僕の味方しかしない。
タナトスだけはルミナスを庇ってくれたけど、誰もタナトスの言葉を受け止めなかった。
僕はルミナスが一人でいるのをみつけて、二人きりなら冤罪展開はこないだろうと近寄ったんだ。
「ルミナス様」
「ステラベル……」
あんな酷いことを僕は毎日しているのに、ルミナスは優しく微笑んでくれた。
あぁ、優しくなったルミナスはやっぱりお兄ちゃんに似ている。
雰囲気が一緒なんだよ。
「ねぇ、ルミナスは僕のお兄ちゃんなの?」
「え!?」
「僕の大好きなお兄ちゃん。僕のせいで死んだお兄ちゃん」
「リク……?」
「やっぱりお兄ちゃんなんだね!会いたかった………!!」
スラスラと言いたいことが言えて、やっぱりルミナスがお兄ちゃんだった喜びに浮かれて………僕は油断していた。
この世界の強制力が、僕の意思を無視することを………。
「お兄ちゃん……大好きだよ!だから………」
「リク?」
嬉しくて微笑みを浮かべていた表情が、す……と無表情になる。
身体の自由が僕の意思から離れて、操られていると気づいて嫌な予感がした。
お兄ちゃん逃げて!!
声を出せなくて、目の前の無防備なルミナスを僕は押し倒した。
何をする気!?
お兄ちゃんから離れてよ!
しかし、強制力は無慈悲だった。
「だから………僕のためにまた死んでね」
「え……」
僕は、持っていなかったはずのナイフをルミナスに突き刺し、何度も何度も繰り返し突き刺していた。
いやぁーーー!!
ルミナスは無抵抗で、僕に微笑みすら向けているのに、僕の身体は止まってくれない。
僕は自然に涙が溢れ続け、僕の心の抵抗虚しくタナトスが僕を止めるまで僕は止まれなかった。
やめてよ!!
誰か僕を止めてーーー!!
僕が望まないことを、僕の身体は僕の意思を無視して続けていた。
ルミナスの真っ赤な血に染まり、それでも無表情の僕はルミナスを刺し続ける。
なんで、こんな酷いことを僕は急に始めたの?
たぶん、きっかけはルミナスが僕をいじめなくなったからのような気がする。
強制力が、何がなんでもルミナスが僕をいじめた展開を作ろうとしているんだと思う。
ルミナスに睨まれていないのに、睨まれたと被害者のように怯える僕。
ルミナスに転ばされてないのに、転ばされたと涙をみせる可哀想な僕。
今まで、そんなことを僕はしなかったのに………!
強制力のせいなのか、周りはルミナスの冤罪がわからないみたいで僕の味方しかしない。
タナトスだけはルミナスを庇ってくれたけど、誰もタナトスの言葉を受け止めなかった。
僕はルミナスが一人でいるのをみつけて、二人きりなら冤罪展開はこないだろうと近寄ったんだ。
「ルミナス様」
「ステラベル……」
あんな酷いことを僕は毎日しているのに、ルミナスは優しく微笑んでくれた。
あぁ、優しくなったルミナスはやっぱりお兄ちゃんに似ている。
雰囲気が一緒なんだよ。
「ねぇ、ルミナスは僕のお兄ちゃんなの?」
「え!?」
「僕の大好きなお兄ちゃん。僕のせいで死んだお兄ちゃん」
「リク……?」
「やっぱりお兄ちゃんなんだね!会いたかった………!!」
スラスラと言いたいことが言えて、やっぱりルミナスがお兄ちゃんだった喜びに浮かれて………僕は油断していた。
この世界の強制力が、僕の意思を無視することを………。
「お兄ちゃん……大好きだよ!だから………」
「リク?」
嬉しくて微笑みを浮かべていた表情が、す……と無表情になる。
身体の自由が僕の意思から離れて、操られていると気づいて嫌な予感がした。
お兄ちゃん逃げて!!
声を出せなくて、目の前の無防備なルミナスを僕は押し倒した。
何をする気!?
お兄ちゃんから離れてよ!
しかし、強制力は無慈悲だった。
「だから………僕のためにまた死んでね」
「え……」
僕は、持っていなかったはずのナイフをルミナスに突き刺し、何度も何度も繰り返し突き刺していた。
いやぁーーー!!
ルミナスは無抵抗で、僕に微笑みすら向けているのに、僕の身体は止まってくれない。
僕は自然に涙が溢れ続け、僕の心の抵抗虚しくタナトスが僕を止めるまで僕は止まれなかった。
22
お気に入りに追加
149
あなたにおすすめの小説
ギャルゲー主人公に狙われてます
白兪
BL
前世の記憶がある秋人は、ここが前世に遊んでいたギャルゲームの世界だと気づく。
自分の役割は主人公の親友ポジ
ゲームファンの自分には特等席だと大喜びするが、、、
王太子殿下は悪役令息のいいなり
白兪
BL
「王太子殿下は公爵令息に誑かされている」
そんな噂が立ち出したのはいつからだろう。
しかし、当の王太子は噂など気にせず公爵令息を溺愛していて…!?
スパダリ王太子とまったり令息が周囲の勘違いを自然と解いていきながら、甘々な日々を送る話です。
ハッピーエンドが大好きな私が気ままに書きます。最後まで応援していただけると嬉しいです。
書き終わっているので完結保証です。
王子様から逃げられない!
白兪
BL
目を覚ますとBLゲームの主人公になっていた恭弥。この世界が受け入れられず、何とかして元の世界に戻りたいと考えるようになる。ゲームをクリアすれば元の世界に戻れるのでは…?そう思い立つが、思わぬ障壁が立ち塞がる。
仮面の兵士と出来損ない王子
天使の輪っか
BL
姫として隣国へ嫁ぐことになった出来損ないの王子。
王子には、仮面をつけた兵士が護衛を務めていた。兵士は自ら志願して王子の護衛をしていたが、それにはある理由があった。
王子は姫として男だとばれぬように振舞うことにしようと決心した。
美しい見た目を最大限に使い結婚式に挑むが、相手の姿を見て驚愕する。
尊敬している先輩が王子のことを口説いていた話
天使の輪っか
BL
新米騎士として王宮に勤めるリクの教育係、レオ。
レオは若くして団長候補にもなっている有力団員である。
ある日、リクが王宮内を巡回していると、レオが第三王子であるハヤトを口説いているところに遭遇してしまった。
リクはこの事を墓まで持っていくことにしたのだが......?
狂わせたのは君なのに
白兪
BL
ガベラは10歳の時に前世の記憶を思い出した。ここはゲームの世界で自分は悪役令息だということを。ゲームではガベラは主人公ランを悪漢を雇って襲わせ、そして断罪される。しかし、ガベラはそんなこと望んでいないし、罰せられるのも嫌である。なんとかしてこの運命を変えたい。その行動が彼を狂わすことになるとは知らずに。
完結保証
番外編あり
愛などもう求めない
白兪
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。
「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」
「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」
目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。
本当に自分を愛してくれる人と生きたい。
ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。
ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
悪役令嬢と同じ名前だけど、僕は男です。
みあき
BL
名前はティータイムがテーマ。主人公と婚約者の王子がいちゃいちゃする話。
男女共に子どもを産める世界です。容姿についての描写は敢えてしていません。
メインカプが男性同士のためBLジャンルに設定していますが、周辺は異性のカプも多いです。
奇数話が主人公視点、偶数話が婚約者の王子視点です。
pixivでは既に最終回まで投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる