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9◆ジーク視点
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あれから、どれだけの日が過ぎたかわからない。
だって、時計とかないからね!
シルビアは俺を大事にしてくれるから、俺は毎日幸せだ。
シルビアの冷酷な姿なんて、一度もみていない。
やっぱり、冷酷なんて嘘だったんだろうな。
「ジーク」
「なんです?」
ベッドで、エッチした後のゆったりタイム。
シルビアは俺に腕枕された状態で俺をみつめた。
「私はな、ずっと感情がなかった」
「そうなんですか?」
「ああ。だが、ジークに感情をたくさん教えられて、私はやっと人間になれた気がするよ。ジークの魅了に感謝している」
「………魅了で得た感情なんて、紛い物でしょう」
「そうだな。紛い物だろうな。だが、紛い物でもいいんだ」
「………」
紛い物でもいいと笑うシルビア。
感情がないなんて、俺には想像もつかないけど……シルビアは苦労したんだろうな。
冷酷なんて陰口を言われていたんだから………。
「俺は、ずっと監禁ですか?」
「ああ。誰にも奪われないように、邪魔されないように、ずっと私だけがジークの全てになり、ジークは私の全てになる」
シルビアは俺のもので、俺はシルビアのもの。
それは、なんて甘く素敵な言葉だろうか。
「もしも、俺を奪われたらどうするんですか?」
「奪うなら、相手を拷問して一族全て根絶やしにしてやる」
「もしも、俺がここから逃げ出したら?」
「そうだな……ジークを殺して私も死のう。まぁ、ジークは逃げられないだろうがな」
シルビアの愛が重くて、そんなに愛されているんだと俺は照れてしまった。
「一般世間では、そういう思考回路の人をなんて言うか知っていますか?」
照れ隠しで、ちょっと意地悪でも言ってみようとニヤリと笑う。
「なんと言うんだ?」
「ヤンデレって言うんですよ」
「この感情が、ヤンデレという感情なんだな。また私は知ることができた」
穏やかに笑うシルビアは、誰よりも綺麗で美しい。
俺の愛する………恋人だ。
完
★
読んでくれてありがとうございました!
だって、時計とかないからね!
シルビアは俺を大事にしてくれるから、俺は毎日幸せだ。
シルビアの冷酷な姿なんて、一度もみていない。
やっぱり、冷酷なんて嘘だったんだろうな。
「ジーク」
「なんです?」
ベッドで、エッチした後のゆったりタイム。
シルビアは俺に腕枕された状態で俺をみつめた。
「私はな、ずっと感情がなかった」
「そうなんですか?」
「ああ。だが、ジークに感情をたくさん教えられて、私はやっと人間になれた気がするよ。ジークの魅了に感謝している」
「………魅了で得た感情なんて、紛い物でしょう」
「そうだな。紛い物だろうな。だが、紛い物でもいいんだ」
「………」
紛い物でもいいと笑うシルビア。
感情がないなんて、俺には想像もつかないけど……シルビアは苦労したんだろうな。
冷酷なんて陰口を言われていたんだから………。
「俺は、ずっと監禁ですか?」
「ああ。誰にも奪われないように、邪魔されないように、ずっと私だけがジークの全てになり、ジークは私の全てになる」
シルビアは俺のもので、俺はシルビアのもの。
それは、なんて甘く素敵な言葉だろうか。
「もしも、俺を奪われたらどうするんですか?」
「奪うなら、相手を拷問して一族全て根絶やしにしてやる」
「もしも、俺がここから逃げ出したら?」
「そうだな……ジークを殺して私も死のう。まぁ、ジークは逃げられないだろうがな」
シルビアの愛が重くて、そんなに愛されているんだと俺は照れてしまった。
「一般世間では、そういう思考回路の人をなんて言うか知っていますか?」
照れ隠しで、ちょっと意地悪でも言ってみようとニヤリと笑う。
「なんと言うんだ?」
「ヤンデレって言うんですよ」
「この感情が、ヤンデレという感情なんだな。また私は知ることができた」
穏やかに笑うシルビアは、誰よりも綺麗で美しい。
俺の愛する………恋人だ。
完
★
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