紛い物な愛でも私はそれを奪われたくない

ミクリ21

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4◆シルビア視点

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ジークから離れたくない。

私は、初めて寂しいという感情を知った。

どんな感情かは、聞いたことあるからたぶんそうだ。

私は、ジークと離れると寂しいと感じている。

感情というのをこうして知るのは、私に私が生きていると教えているようだ。

「ジーク」

「はい」

「私は寂しい」

「はい……はい?」

ジークの困惑の表情に愛しさという感情を知り、頬に手を添えると私に怯えの表情をみせた。

「ジーク、私を抱け」

「はい!?」

「抱け」

「はぁ!?」

もっと知りたいんだ。

私が知らない感情を。

性行為をすれば、もっと知らないものを知れるだろう?

私はジークをベッドに押し倒すと、服を無理矢理脱がせた。

「ま、待ってください!抱けって……俺がシルビア様を抱くんですか!?」

「そうだ」

全裸にしたジークは、なかなかいい身体をしていた。

チンポもいいものを持っているな。

「ちなみに、性行為は何回経験した?」

「未経験ですよ!!」

「………こんなにいいブツを持っているのにか?」

「あんまりチンポをジロジロみないでください」

まさかの未使用だったか………。

丁度私も未使用だから、お互いだけが相手の身体の良さを知る。

誰かがジークとそういうことをしていないと知って、喜びを感じた。

これが、嬉しいという感情………そして独占欲という欲望。

とても、素晴らしいものだな。

私は静かに微笑んだ。
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