異世界でチートをお願いしたら、代わりにショタ化しました！？

36◆ギルバード視点

後日ジンジャー殿下が呼んだ医師は、ジンジャー殿下にカウンセリングの結果を渡して帰った。

「まず、結論よ」

ゴクリ。

ジンジャー殿下の静かな声に、つい緊張から喉がなる。

「ソーマ君は………転生者だということがわかったわ」

「「「「！？」」」」

転生者。

この世界には、極稀ではあるが前世の記憶を持って生まれる子がいると言われている。

その前世の記憶のある人のことを、転生者と呼ぶそうだ。

しかし、それは一種の都市伝説みたいなもので、実際に前世の記憶がある人がいたという記録はない。

………ソーマ君が、その転生者だと言うのか？

「報告書によると、ソーマ君はこことは違う世界で生まれ、育ったそうよ。けれど、39年生きたある日、仕事の上司に苦手なお酒を無理矢理飲まされて死亡。そして、フルール神様が慈悲で転生させてくれたらしいの」

「……その話は、真実なんだよね？」

アーノルドが、ついといった風に聞いた。

「医師は、念のために嘘発見魔道具も持っていたらしいけど、清々しい程に嘘一つなかったそうよ」

「39歳とは……前世の歳だったのか………」

「ソーマ君曰く、正直に言っているだけなんだそうよ」

「「「「………」」」」

ソーマ………転生したなら、39歳はリセット扱いでいいのではないか？

俺たち五人は、この時ばかりは同じことを思ってしまったのは………仕方ないことだろう………。

「ちなみに、全裸の件については？」

「目覚めたら、スッポンポンで、森にいた。その目覚めの時が、転生直後だったみたいね」

………。

それぞれが今回のことで学んだのは、言葉のキャッチボールは大事！ということだった。