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16◆ソーマ視点
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今日の僕は図書室に移動しています。
僕は思うんですよ。
何もここでお仕事をみつけてもらわなくても、冒険者になって稼ぐこともできるのではないかと。
ちなみに、昨日ギルバードさんに冒険者とかギルドとかという異世界あるあるなものはあるのか聞いてみたら、しっかりありました。
それで、冒険者になって稼ぐと言った僕にギルバードさんは………。
「冒険者になるなら、まずは知識を学んでからでも遅くないはずだぞ」
と言って、図書室に行くことをオススメしてくれました。
護衛だというマルクスさんが一緒に行くと言っていましたが、大丈夫だと思って断りました。
39歳のおっちゃんを襲う人なんて、せいぜい親父狩りぐらいですよね?
まさか城の中に親父狩りはいないはずなので、きっと僕は大丈夫です!
………なんて、思っていた時もありました。
「ハァハァ……君、良かったらおじさんとベッドのある部屋で楽しいことをして遊ぼうね……ハァ…ハァ…」
たしかに、親父狩りではない……と思います。
けれど………代わりに、変質者が出ました。
「へ…へ……」
「なんだい?ハァハァ!」
僕は、城の中とかお構い無しに全力で叫び、全力で走って逃げました。
気分は正に、脱兎の如く!!
「ヘルプーーーっ!!!!」
「あはははっ!追いかけっこかい?楽しいね!あはははっ!」
「イヤァーーーっ!?怖いーーーっ!!助けてくださーーい!ヘルプミー!!」
僕は走りました。
メロスよ走れのメロスもビックリする程に走りました。
どれだけ逃げたかわからず、足が疲れてきた頃、僕は盛大に転けて、しかも転けた勢いで壁までズルズル滑って………頭を除夜の鐘みたいにゴーン!!とぶつけたんです。
………死ぬほど痛いです。
追い詰められた僕、もう絶対絶命ってやつでしょうか………。
そう絶望しかけたその時でした。
ビュンッ!!
バシッ!!
「ぐふぉっ!!」
説明します。
まず、ビュンッ!!という音は誰かが思いっきり振り下ろしたムチの音です。
次に、バシッ!!という音は変質者にムチが勢いよくぶつかった音です。
そして、ぐふぉっ!!とは変質者の声です。
………きっと、痛かったのでしょう。
ムチを持つ人は、どことなくジンジャー殿下様に似ていますが別人のようです。
なんというか、僕のピンチを女王様が助けてくれたってことですね!
ズキズキ頭も他の所も痛いですけど、僕はホッとしました。
「アレン?何をしているのかな?浮気かい?浮気なのかい?また僕に一晩中寝かせてもらえず朝まで鳴き続けたいのかな?」
………女王様は訂正します。
目がなんか………見開かれてまっすぐ真顔で変質者をみています。
手に持つムチを威嚇するみたいに、床に叩きつけています。
なんかこれ、僕も聞いたことあります。
ヤンデレというやつではないでしょうか?
「アレン?後でゆーくりオハナシしようね?今はアレンが浮気しようとした子治さないとね?アレンが浮気しようとした子、こんな酷い怪我して………アレンが浮気しようとしたせいで可哀想に。アレンが浮気しようとしたから………」
「あああっ!!コリーすまない出来心だったんだーーーっ!!」
「出来心で浮気したのかい?出来心で浮気したのかい?出来心で浮気したのかい?………アレン、浮気するなら殺すよ?」
「ひぇっ!!ごめんなひゃいっ!!」
薄れゆく意識の中、僕は思いました。
ヤンデレ……怖い……です……。
ガクッ。
僕は思うんですよ。
何もここでお仕事をみつけてもらわなくても、冒険者になって稼ぐこともできるのではないかと。
ちなみに、昨日ギルバードさんに冒険者とかギルドとかという異世界あるあるなものはあるのか聞いてみたら、しっかりありました。
それで、冒険者になって稼ぐと言った僕にギルバードさんは………。
「冒険者になるなら、まずは知識を学んでからでも遅くないはずだぞ」
と言って、図書室に行くことをオススメしてくれました。
護衛だというマルクスさんが一緒に行くと言っていましたが、大丈夫だと思って断りました。
39歳のおっちゃんを襲う人なんて、せいぜい親父狩りぐらいですよね?
まさか城の中に親父狩りはいないはずなので、きっと僕は大丈夫です!
………なんて、思っていた時もありました。
「ハァハァ……君、良かったらおじさんとベッドのある部屋で楽しいことをして遊ぼうね……ハァ…ハァ…」
たしかに、親父狩りではない……と思います。
けれど………代わりに、変質者が出ました。
「へ…へ……」
「なんだい?ハァハァ!」
僕は、城の中とかお構い無しに全力で叫び、全力で走って逃げました。
気分は正に、脱兎の如く!!
「ヘルプーーーっ!!!!」
「あはははっ!追いかけっこかい?楽しいね!あはははっ!」
「イヤァーーーっ!?怖いーーーっ!!助けてくださーーい!ヘルプミー!!」
僕は走りました。
メロスよ走れのメロスもビックリする程に走りました。
どれだけ逃げたかわからず、足が疲れてきた頃、僕は盛大に転けて、しかも転けた勢いで壁までズルズル滑って………頭を除夜の鐘みたいにゴーン!!とぶつけたんです。
………死ぬほど痛いです。
追い詰められた僕、もう絶対絶命ってやつでしょうか………。
そう絶望しかけたその時でした。
ビュンッ!!
バシッ!!
「ぐふぉっ!!」
説明します。
まず、ビュンッ!!という音は誰かが思いっきり振り下ろしたムチの音です。
次に、バシッ!!という音は変質者にムチが勢いよくぶつかった音です。
そして、ぐふぉっ!!とは変質者の声です。
………きっと、痛かったのでしょう。
ムチを持つ人は、どことなくジンジャー殿下様に似ていますが別人のようです。
なんというか、僕のピンチを女王様が助けてくれたってことですね!
ズキズキ頭も他の所も痛いですけど、僕はホッとしました。
「アレン?何をしているのかな?浮気かい?浮気なのかい?また僕に一晩中寝かせてもらえず朝まで鳴き続けたいのかな?」
………女王様は訂正します。
目がなんか………見開かれてまっすぐ真顔で変質者をみています。
手に持つムチを威嚇するみたいに、床に叩きつけています。
なんかこれ、僕も聞いたことあります。
ヤンデレというやつではないでしょうか?
「アレン?後でゆーくりオハナシしようね?今はアレンが浮気しようとした子治さないとね?アレンが浮気しようとした子、こんな酷い怪我して………アレンが浮気しようとしたせいで可哀想に。アレンが浮気しようとしたから………」
「あああっ!!コリーすまない出来心だったんだーーーっ!!」
「出来心で浮気したのかい?出来心で浮気したのかい?出来心で浮気したのかい?………アレン、浮気するなら殺すよ?」
「ひぇっ!!ごめんなひゃいっ!!」
薄れゆく意識の中、僕は思いました。
ヤンデレ……怖い……です……。
ガクッ。
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