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3◆ライジャ視点

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私は、ラピス君が魔王かどうかはともかく、そろそろ帰宅時間だったので帰ることにしました。

「僕もライジャお兄ちゃんと行く!」

そう言って、この可愛いショタは私の背中に張り付きました。

はい、張り付きました。

背中に飛び付き、両腕両足をガッチリ私にホールドして、張り付きました。

ハァハァ……私の部屋にお持ち帰りは許されますか?

内心ハァハァしつつも、教会に入りました。

私はラピス君にジュースでも出そうと思い、ラピス君に椅子に座ってもらいました。

「どうぞ。ところで、本当に魔王様なんですか?」

「ありがとう!本当だよ。嘘だと思うなら、魔王城に招待するよ!」

「嘘だとは思っていませんよ。聖書で読んだことはありますが、実物をみる日が来るとは………」

教会には聖書が、神殿には聖典があります。

魔王が世界にとって、どれだけ必要な存在かということがしっかり書かれています。

故に、魔王以外が魔王だと名乗ったり、魔王の名前を名乗ったりすると、天罰が下ります。

魔王に冤罪をかけるのも天罰が下ります。

なので、ラピス君が嘘を言っていたなら、今頃は天罰が下っています。

ちなみに、天罰とは………神様に『生きる価値無し』と判断され、神の雷に撃たれて灰も残さず死亡するそうです。

ラピス君のように可愛いショタがそんなことにならなくて、良かったです………!

でも、森でばったり魔王様に出会うなんて、普通は考えられないので………すぐに信じられないのは仕方ないですよね?

「ライジャお兄ちゃん、僕は本当にライジャお兄ちゃんが好きになったんだよ!だから、結婚して!!幸せにするから!!」

よく子供が、「大きくなったらお兄ちゃんのお嫁さん(お婿さん)になる!」という発言を言うことがあります。

それは、将来の夢として。

ラピス君の場合は、今。

将来ではなく、今。

これはあれですか?

神様からのご褒美ですか?

しかし、私はまだまだひよっこ神父です。

神父は続けたいのです。

だって、神父じゃなくなったら、合法的にショタたちと遊べないじゃないですか!!

「僕がここに通い妻として来るから、結婚して!!」

「喜んでお受けします!」

私にとっての好条件に、断るなんてあり得ませんでした。

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