そのモブは、私の愛しい唯一無二

14◆アズエル視点

リズエルが学園を休むようになった。

何故かはわからないけど、セスが気にしなくていいって言うから、一応気にしないようにしている。

リズエルがいなくなった学園は、攻略対象たちだけが落ち込んでいたよ。



「あっ……セス……っ！」

僕とセスは、休日にベッドで愛し合っていた。

それはすごく幸せな時間で、まるで天使だった頃に戻ったみたいな気持ちになった。

「アズエル、気持ちいいですか？」

「んあっ！セス……気持ちっ…いい……よ………！」

セスのペニスが、僕の中を抉って僕を追いつめる。

愛する唯一無二の僕のセス………。

「セス、愛しているよ」

「ええ、私もアズエルを愛していますよ」

深くキスを交わしながら、僕たちは同時にイった。

今は人間だから、セスの子供を孕めないけど、だけどずっと一緒にいようね。

もう離れたくないよ。

もう、過ちだってしないから。

だから………。

「セス、ずっと僕を離さないで……」

忘れられないんだ。

僕が過ちを犯したばかりに、セスに僕を殺させてしまった後悔を………。

「アズエル、ずっと私だけを愛してください。偽りの愛でも、私以外を愛さないでください。私以外に、どんな愛も向けないでください。そうしたら、もうアズエルを殺さなくて済みますからね」

優しい微笑みのセスが言った言葉に、僕は安堵した。

セスに愛してもらえていると認識できる、ちょっと愛の重い言葉。

それが、僕には嬉しくて堪らない。

………重いぐらいがちょうどいい。

「僕の愛は、セスだけの物だよ」

過ちを忘れはしないけど、後悔もずっと僕を締め付けるけど、それ以上にセスを愛するよ。

だから、セス。


………あの日の僕を許さないでね。