3 / 6
3◆ユウタ視点
しおりを挟む
「もういいのか?」
泣きやんだイーリアスに、俺は持っていたハンカチで涙を拭いてやる。
あ…鼻水だ。
こんな美人でも鼻水出して泣くんだなと、ちょっと思ったけど言わない。
「ティッシュあるけど、いるか?」
「ありがとうございます。ずびっ……1枚ください………ずびっ」
俺はとりあえず横を向いておこう。
ずぶぉ~~~!!
お…おう……意外に豪快な音がしたが、俺は何も聞いてないからな。
「し…失礼しました……。それでは、ユウタ様のお部屋にご案内致します」
ちょっと顔が赤いイーリアスが、俺の手を繋いで歩き出した。
「なぁ、嫌じゃないけどなんで手を繋ぐんだ?」
だって俺、31歳のおっさんだぞ?
イーリアスはニコニコと微笑みを浮かべて、俺の頭を撫でてくれた。
イーリアスの手は気持ち良くてうっとりしていたが、次に言われたことがショックだった。
「幼い子供の神子様なのですから、当たり前のことですよ」
「…………幼い子供?」
「はい!」
元気に返事してくれるのはいいんだが、幼い子供………?
いったい俺が何歳にみえているのか聞くのが恐ろしいぜ。
でも、恐ろしいからこそちゃんと聞いて、しっかり俺が31歳のおっさんだということを伝えよう。
「俺のこと、何歳にみえる?」
「?5歳ぐらいだと思っています。さすがに3歳は幼過ぎて召喚されないと思いますから。でも、5歳も幼いとは思っています。親元から引き離してしまったのですから、ユウタ様のことは責任をもって育てますから安心してくださいね!」
「………」
………今までで、一番ショックだった。
5歳…?
3歳…?
そこまで幼くみられたことなんかないぞ。
まぁ、この世界の基準で言われたんだろうから怒らないけどな。
でも訂正はするからな!
「イーリアス、俺の歳は、31歳だ」
「…………はい?」
「31歳だ」
「………」
イーリアスの……時が止まった。
言われた内容の威力がそんなに強かったのだろうな。
俺は大人だから、ちゃんと待つぞ。
イーリアスの時は、しばらく待つとしっかり動き出した。
………呼吸忘れていたみたいで、ものすごく咳き込んでいたから心配したけどな。
イーリアスの呼吸が落ち着くまで、イーリアスの背中を撫でながら俺は謝った。
泣きやんだイーリアスに、俺は持っていたハンカチで涙を拭いてやる。
あ…鼻水だ。
こんな美人でも鼻水出して泣くんだなと、ちょっと思ったけど言わない。
「ティッシュあるけど、いるか?」
「ありがとうございます。ずびっ……1枚ください………ずびっ」
俺はとりあえず横を向いておこう。
ずぶぉ~~~!!
お…おう……意外に豪快な音がしたが、俺は何も聞いてないからな。
「し…失礼しました……。それでは、ユウタ様のお部屋にご案内致します」
ちょっと顔が赤いイーリアスが、俺の手を繋いで歩き出した。
「なぁ、嫌じゃないけどなんで手を繋ぐんだ?」
だって俺、31歳のおっさんだぞ?
イーリアスはニコニコと微笑みを浮かべて、俺の頭を撫でてくれた。
イーリアスの手は気持ち良くてうっとりしていたが、次に言われたことがショックだった。
「幼い子供の神子様なのですから、当たり前のことですよ」
「…………幼い子供?」
「はい!」
元気に返事してくれるのはいいんだが、幼い子供………?
いったい俺が何歳にみえているのか聞くのが恐ろしいぜ。
でも、恐ろしいからこそちゃんと聞いて、しっかり俺が31歳のおっさんだということを伝えよう。
「俺のこと、何歳にみえる?」
「?5歳ぐらいだと思っています。さすがに3歳は幼過ぎて召喚されないと思いますから。でも、5歳も幼いとは思っています。親元から引き離してしまったのですから、ユウタ様のことは責任をもって育てますから安心してくださいね!」
「………」
………今までで、一番ショックだった。
5歳…?
3歳…?
そこまで幼くみられたことなんかないぞ。
まぁ、この世界の基準で言われたんだろうから怒らないけどな。
でも訂正はするからな!
「イーリアス、俺の歳は、31歳だ」
「…………はい?」
「31歳だ」
「………」
イーリアスの……時が止まった。
言われた内容の威力がそんなに強かったのだろうな。
俺は大人だから、ちゃんと待つぞ。
イーリアスの時は、しばらく待つとしっかり動き出した。
………呼吸忘れていたみたいで、ものすごく咳き込んでいたから心配したけどな。
イーリアスの呼吸が落ち着くまで、イーリアスの背中を撫でながら俺は謝った。
1
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
邪悪な魔術師の成れの果て
きりか
BL
邪悪な魔術師を倒し、歓喜に打ち震える人々のなか、サシャの足元には戦地に似つかわしくない赤子が…。その赤子は、倒したハズの魔術師と同じ瞳。邪悪な魔術師(攻)と、育ての親となったサシャ(受)のお話。
すみません!エチシーンが苦手で逃げてしまいました。
それでもよかったら、お暇つぶしに読んでくださいませ。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
異世界帰りの男は知っていた、何事も力で解決した方が手っ取り早い~容赦しない事を覚えて来た男の蹂躙伝~
こまの ととと
BL
かつて異世界に飛ばされた男は、無敵の能力を身に着けて帰還する。
久しぶりに帰って来た現代日本で再び始まる学生生活。しかし、形は違えどロクデナシというものはそこら中に転がっている現状を確認。
平穏な学生生活を送る為、トラブルを一捻りにしながら己の道を突き進むのであった。
……美人に囲まれる物語でもある。果たして新しい愛の形は発生するのか?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる