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24◆純也視点

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あれから、しばらく旅を続けてラルクと出会って一週間ぐらい経った。

………ラルクは、俺と同年代ぐらいに成長していた。

なんなら、俺より歳上のお兄さんになっていた。

ちなみに、これからは成長具合が普通になるらしい。

そして、俺をパパと未だに呼ぶけど………かなり無理あるよ?

さらに、九尾族について詳しく教えてくれた。

「パパ♡僕大人になったから、これからは番としてパパと愛し合っていきたいな♡」

「そのパパ呼び、まだ続けるの?」

「ふえ……嫌なの?」

ラルクは美しい青年姿で、メソメソと泣き真似をする。………ラルク、涙出てないよ。

俺は仕方ないなという気持ちで、ラルクの頭を撫でた。

「嫌じゃないよ」

「わぁーい!パパ大好き♡」

尻尾をフリフリしながらラルクは俺を抱き締めて、さりげなく俺の尻を撫で撫でする。

………ラルク、それは恥ずかしいからやめなさい。

「パパと子作りしたいな♡」

耳許で囁かれてゾクリとくすぐったかったけど、俺は流されないからな?

「九尾族の生まれ方的に、子作りは無理だろ。後、俺は男だからね」

「九尾族も子作りできるよ。ただし、生まれるのは相手の種族だけどね。後、男でも孕ませられるよ♡」

「ワァオ、ファンタスティック!……って、俺が生むの!?」

「うん♡」

異世界にきて一番の衝撃。

俺が……ママになる……だと………!

「あ、でもね?パパが生むの嫌なら、僕が生むって選択肢もあるよ!僕も孕めるからね!」

その選択肢に、俺が拒否するは含まれていないんだね。

ママになるか、パパになるか……もう少し考えさせてよ。

ラルクの番になるのは大歓迎だけど、もう少し時間をくれ。

そうラルクにお願いすると、「待ってるね♡」と言われてキスされた。

舌を絡める大人のキスを………。



俺は魔法も上手く使えるようになって、異世界生活を満喫している。

ラルクのことで、よく人に変な目でみられたり、いくつの時の子と聞かれたり、そういうプレイだと思われたりしているけど、もう気にしないことにしてる。

「パパ、あの山にドラゴンいるんだって!ドラゴンはすごく美味しいから行こうよ!」

興奮気味にドラゴンの美味しさについて語るラルクは、とっても美しくて可愛い俺の旦那だ。

………俺、結局生む方を選んだから俺が嫁なんだよ。

その、なんと言うか……ラルクのこと俺も愛してるからさ………♡

まだ身籠る気配はないけど、いつかはラルクの子を授かりたいと思っている。

「今日もパパに美味しい料理作るからね♡」

モフモフの尻尾がフリフリと揺れて、耳はピコピコ。

やる気に燃えるラルクを今日も俺は愛している。







読んでくれてありがとうございました!
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