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8◆純也視点
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あれから少し時間が経った。
泣き止んだジモンは、何故泣いたのかを話してくれた。
「私は……何者かに命を狙われている。それを一番心配してくれていたのが、私の実の兄だったんだ」
ジモンは王族で、家族仲はあまり良くないらしい。
ジモン以外の兄弟は王妃の子供なのに、ジモンは王様の不貞で生まれた子供というのが主な理由。
悪いのは不貞をした王様だから、ジモンは生まれてすぐに王様が責任をもって王子として迎え入れられた。
ただし、歓迎などはされていなかったそうだ。
王宮で肩身の狭い思いをして、生みの母親とは引き離され、父親には見向きもされず辛い日々。
そんなジモンの身を唯一心配し、愛してくれていたのが長男のエル。
その兄が、手作りのお守りをくれたそうだ。
それがあの小袋。
『ジモンの旅の無事を願って作ったんだ。大事に持っているんだよ』
ジモンを疎ましく思っている者がいるため、暗殺や毒の混入なんて日常だった。
長男だけが身を案じてくれていた。
………しかし、その小袋は魔物にしかわからない匂いを放つ毒袋。
ラルクがそれの匂いについて、なんでわかったのかを聞いたら………。
「僕、普通の獣人じゃないからね」
と言っていた。
………待って?
普通の獣人じゃないって、具体的に何が違うの!?
耳も尻尾もあるもふもふなのに………。
ラルクに対する謎ができた瞬間だった。
泣き止んだジモンは、何故泣いたのかを話してくれた。
「私は……何者かに命を狙われている。それを一番心配してくれていたのが、私の実の兄だったんだ」
ジモンは王族で、家族仲はあまり良くないらしい。
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悪いのは不貞をした王様だから、ジモンは生まれてすぐに王様が責任をもって王子として迎え入れられた。
ただし、歓迎などはされていなかったそうだ。
王宮で肩身の狭い思いをして、生みの母親とは引き離され、父親には見向きもされず辛い日々。
そんなジモンの身を唯一心配し、愛してくれていたのが長男のエル。
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それがあの小袋。
『ジモンの旅の無事を願って作ったんだ。大事に持っているんだよ』
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………しかし、その小袋は魔物にしかわからない匂いを放つ毒袋。
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「僕、普通の獣人じゃないからね」
と言っていた。
………待って?
普通の獣人じゃないって、具体的に何が違うの!?
耳も尻尾もあるもふもふなのに………。
ラルクに対する謎ができた瞬間だった。
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