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15◆マリウス視点
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マフユのいた世界でのマフユの話を、マフユは私に話してくれた。
実の母に孤児院に捨てられ、そのショックで笑えない子になったこと。
笑えないことで、自分には友達をつくる資格がないと思っていること。
笑えない自分に、周りが気を遣うのが辛いこと。
………過呼吸になった理由も聞いた。
私は、人間の扱いによる心の傷で笑わないのかと思っていた。
………違っていた。
マフユは、ずっと傷ついていたんだ。
マフユの周りにいた者たちは、大人も子供も優しい者たちだったらしいが、優しいからこそ自分が皆の迷惑になっていると思っていたらしい。
………迷惑なんかじゃない。
少なくとも私は迷惑だと思ったことはない。
部下たちだって、マフユを心配はしているが迷惑だとは思っていない。
なんなら、たまにマフユに見舞いの品を渡している。
ある者は子供用パズル、ある者はぬいぐるみ、ある者は子供に人気のお菓子屋のケーキ、ある者は絵本。
リウミアやレインも見舞いの品をマフユに渡していた。
マフユに私の気持ちをわかってほしい。
マリウス「マフユ、私はマフユのことを大事に思っている。すぐに信じられないなら、今すぐに理解しろとは言わない。いつか、私の気持ちが伝わればそれでいい」
私はマフユの瞳をみつめて気持ちを伝える。
マフユの心に語りかけるように。
マリウス「私は、最初はマフユのことを、私の心を撃ち抜いた可愛い子供と思っていた。だが、その気持ちはすぐに、私がこの子を守りたいと思う気持ちになり、日に日にマフユに対する気持ちが強くなっていく。私は、マフユのことが好きなんだ。愛しているんだ。……本当は、ムードのある場所でロマンチックに告白したかったが、今マフユに私の想いを知ってほしい。返事はいつでもいいから、ゆっくりでいいから私のことを考えてくれたら嬉しい」
愛の告白は、今のマフユにどう思われるか……不安がないわけではない。
だが、マフユの気持ちを聞いて思ったんだ。
マフユは、愛に飢え過ぎて愛を拒んでいるのではないかと。
もし私の考えが当たっていたら、私がマフユを誰よりも愛してやる。
……悲しい記憶を思い出せなくなれるほどに。
私の愛で心を満たそう。
実の母に孤児院に捨てられ、そのショックで笑えない子になったこと。
笑えないことで、自分には友達をつくる資格がないと思っていること。
笑えない自分に、周りが気を遣うのが辛いこと。
………過呼吸になった理由も聞いた。
私は、人間の扱いによる心の傷で笑わないのかと思っていた。
………違っていた。
マフユは、ずっと傷ついていたんだ。
マフユの周りにいた者たちは、大人も子供も優しい者たちだったらしいが、優しいからこそ自分が皆の迷惑になっていると思っていたらしい。
………迷惑なんかじゃない。
少なくとも私は迷惑だと思ったことはない。
部下たちだって、マフユを心配はしているが迷惑だとは思っていない。
なんなら、たまにマフユに見舞いの品を渡している。
ある者は子供用パズル、ある者はぬいぐるみ、ある者は子供に人気のお菓子屋のケーキ、ある者は絵本。
リウミアやレインも見舞いの品をマフユに渡していた。
マフユに私の気持ちをわかってほしい。
マリウス「マフユ、私はマフユのことを大事に思っている。すぐに信じられないなら、今すぐに理解しろとは言わない。いつか、私の気持ちが伝わればそれでいい」
私はマフユの瞳をみつめて気持ちを伝える。
マフユの心に語りかけるように。
マリウス「私は、最初はマフユのことを、私の心を撃ち抜いた可愛い子供と思っていた。だが、その気持ちはすぐに、私がこの子を守りたいと思う気持ちになり、日に日にマフユに対する気持ちが強くなっていく。私は、マフユのことが好きなんだ。愛しているんだ。……本当は、ムードのある場所でロマンチックに告白したかったが、今マフユに私の想いを知ってほしい。返事はいつでもいいから、ゆっくりでいいから私のことを考えてくれたら嬉しい」
愛の告白は、今のマフユにどう思われるか……不安がないわけではない。
だが、マフユの気持ちを聞いて思ったんだ。
マフユは、愛に飢え過ぎて愛を拒んでいるのではないかと。
もし私の考えが当たっていたら、私がマフユを誰よりも愛してやる。
……悲しい記憶を思い出せなくなれるほどに。
私の愛で心を満たそう。
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