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お兄ちゃん!パンツ返して!?

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「お兄ちゃん!それ私のパンツ!!」

「やべっ!」

私のお兄ちゃんは、とってもかっこよくて素敵な人なのよ!

だから、私はお兄ちゃんのことが世界で一番大好きなんだ。

そして、お兄ちゃんは私にとっての推しなのよ。

世界で一番尊いのだから!

そんな、お兄ちゃんが私のパンツを握りしめて走り去る瞬間を目撃してしまった。

………待って!?

それ私のパンツだから!!

どこに持っていくつもりよ!

嘘よね?

お兄ちゃん嘘よね?

そんなことする人じゃないよね?

私は酷く混乱した。

「お兄ちゃん!パンツ返して!」

「何を言う妹よ。これはお兄ちゃんのパンツだ。妹のパンツに見えるかもしれないが、それは幻だ。そう、あの芸能人も言っているじゃないか?ま~ぼ~ろ~し~♂と!」

「どう見ても私のパンツよ!なんなら昨日穿いてたパンツよ!洗濯に出していて、そろそろ乾いている私のお気に入りのパンツよ!」

そのパンツには、見覚えがありすぎた。

お兄ちゃんのパンツだと言っても誤魔化せないほどの見覚えが、ありすぎた。

それはまさに、昨日私が穿いていた私のお気に入りのパンツだから!

ちょっと高かったのよ!!

「同じの買ってやるから、今回は見逃せ!大丈夫。このパンツは大事にするから」

「いくら大好きな私の推しのお兄ちゃんでも、それだけは駄目だわ。せめて、お気に入りじゃないパンツにして!?それは駄目よ!お気に入りなの!本当に高かったのよ!」

「もっと高いパンツ買ってやるから!高級ブランドのパンツでも買ってやるから!!」

「駄目よ!返して!」

いくら推しの頼みでも、聞ける願いと聞けない願いというものは存在する。

「お兄ちゃん、その人質ならぬパンツ質を解放するのよ」

「嫌だ!解放なんかしない!このパンツは、俺のエクスタシーを解放するために必要なんだ!」

「ナニする気!?」

「お兄ちゃんの使用済みパンツなんて嫌だろ?だから諦めてくれ」

「ナニに使用する気!?」

「聞くな妹よ。男の性だ」

そして、お兄ちゃんはかっこよく私の前から去って行った。

その右手に、私のパンツを握りしめて………。

その後、お兄ちゃんはナニかでドロドロになった私のパンツを洗面所で洗っていたけれど、とりあえずそのパンツを返してとはちょっと言いづらかった私だった。



チャンチャン☆
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