不遇聖女様(男)は、国を捨てて闇落ちする覚悟を決めました！

2◆ラウロ視点

さぁ、国から逃げましょうね！

時刻は丑三つ時、皆と一緒に静かに、でも素早く走ります。

もしもみつかったらですか？

ふふふ、僕たちを生け贄にしていた人間に、慈悲なんて必要ないでしょう？

みつかったら………羽虫を始末するように、素早く仕留めましょう。

悲鳴なんて出させてはいけません。

僕たちは、この国から逃げて、自由に生きるのです。

だから………邪魔は誰にもさせませんよ。

そうして、僕たちは逃げることに成功しました。

ちゃんと一人も欠けなかったことは、皆が頑張った証拠です。

いっぱい褒めましたよ！

「皆さん、よく頑張りましたね」

まだ人間の国の領地内ではありますが、国からは出られました。

まだ越えるべき問題として、関所がありますが………関所をぶっ飛ばしたら済む話ですよね！

魔力を回復してから挑みましょう。

「ラウロ兄さん、お肉焼けたよ！」

「ええ、美味しそうですね」

皆で魔物を仕留め、その肉を焼いて皆で分け合う。

調味料はないですが、国では肉なんて食べられませんでした。

だから、調味料無しでも美味しいと感じるのです。

僕を合わせて人数は13人。

この人数ですが、必ず全員生きて逃げてみせますよ。

関所の向こうは、全て他種族たちの領地になっています。

他種族たちは、魔王を王たちの代表にしています。

エルフ、獣人、魔族、竜人、ドワーフ。

その種族たちには、その種族の王がいて、他種族たちは同盟を結んでいるんですよ。

まさに、人間ＶＳ他種族(他種全部)です。