魔王の生まれ変わりは元勇者と親子になる！

5◆エルビス視点

ラウロと生活を始めた初日の夜、眠ったラウロの隣で俺も眠るために目を閉じた。

だが、俺が眠る前にラウロの様子がおかしくなった。

表情は苦しそうで、辛そうに唸っていて、汗もかき始めた。

悪夢をみているのだろうか？

俺はラウロを起こすことにした。
起きたラウロは、泣きながらしがみついてきたが、何を言ってあげればいいのかわからないから抱きしめて背中を撫でた。

しばらくして、落ち着いたラウロから怖い夢をみたと伝えられた。

ラウロ「たくさんの人が僕にひどいこと言って石を投げるの。怖くて、痛くて、悲しい夢だった」

俺はラウロの話を聞いてラウロに、

エルビス「怖かったな。でも、俺がいるから大丈夫だ。ラウロにそんなひどいことをするヤツは俺が説教をしてやるからな」

と言った。
俺の言葉で安心したのか、ありがとうと言ってもう一度眠った。

今度は悪夢に唸されていないかしばらくみていたが、ラウロが深く眠ると唸され始めた。

俺は、あの手この手でラウロが唸されるのがなくならないか試したが、ずっとラウロは苦しそうなままで……やはりラウロを起こすことにした。

ラウロはまた怖い夢をみたと言う。

だが、内容は先程とは違った。

ラウロは、寝ては悪夢で唸されるを繰り返してその晩は二人とも眠れなかった。

このままではいけない。

ラウロはまだ小さな子供だ。

なのに眠れないなんて、成長に悪影響だ！

なので、知り合いの医者に診てもらうことにした。

ラウロには、不安な気持ちにはなってほしくないから、いい子にしていたら美味しいお菓子を買ってやると言って納得してもらった。

お菓子と聞いて、ちょっと嬉しそうだったから、どんなお菓子を選ぶのか俺は俺で楽しみだ。