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11◆アイリス視点
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黒い霧が濃くなり、いつの間にかセルジュがいなくなっていた。
ずっと僕を抱っこしていたのに、黒い霧に包まれてセルジュが消えたんだ。
そして………目の前には、懐かしい姿のキールがいた。
「ラース、会いたかったです」
「キール………」
笑顔のキール。
けれど………これは幻覚だ。
僕の加護は、状態異常に耐性がある。
だから、幻覚だとすぐにわかってしまった。
「キール。貴方が本物だったなら、どれだけ良かったことだろう。だけど、僕を騙せはしないよ」
笑顔のキールが、姿を消して黒い塊が現れた。
隣には、僕をみつめるセルジュがいた。
あの黒い塊は、もしかしたら幻覚で敵を油断させて、身を守っていたのかもしれない。
何故なら、セルジュの一撃で消滅したから。
………え?
「………一撃で消滅したね」
「スタンピードの原因………違ったんですかね?」
スタンピードの原因というぐらいだから、もっと手こずると思っていた。
一応森の中をもう少し調べたが、それらしいものはなかった。
仕方ないから国に戻れば、ちゃんと原因の排除はできているようだ。
ちなみに、神官長に黒い塊の話をしたら………。
「単純に、セルジュ殿が強かったのでしょうね」
そう言われた。
まぁ、スタンピードはもう起きないそうで一安心だ。
ずっと僕を抱っこしていたのに、黒い霧に包まれてセルジュが消えたんだ。
そして………目の前には、懐かしい姿のキールがいた。
「ラース、会いたかったです」
「キール………」
笑顔のキール。
けれど………これは幻覚だ。
僕の加護は、状態異常に耐性がある。
だから、幻覚だとすぐにわかってしまった。
「キール。貴方が本物だったなら、どれだけ良かったことだろう。だけど、僕を騙せはしないよ」
笑顔のキールが、姿を消して黒い塊が現れた。
隣には、僕をみつめるセルジュがいた。
あの黒い塊は、もしかしたら幻覚で敵を油断させて、身を守っていたのかもしれない。
何故なら、セルジュの一撃で消滅したから。
………え?
「………一撃で消滅したね」
「スタンピードの原因………違ったんですかね?」
スタンピードの原因というぐらいだから、もっと手こずると思っていた。
一応森の中をもう少し調べたが、それらしいものはなかった。
仕方ないから国に戻れば、ちゃんと原因の排除はできているようだ。
ちなみに、神官長に黒い塊の話をしたら………。
「単純に、セルジュ殿が強かったのでしょうね」
そう言われた。
まぁ、スタンピードはもう起きないそうで一安心だ。
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