新婚王太子のヤンデレ生活

ミクリ21

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9◆ユリウス視点

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僕たちは……ケンカをしてしまった。

といっても、口ケンカだ。

ケンカした理由……それは、ロビンが僕の排泄物(つまりオシッコとか…いろいろ)を飲みたい食べたいと言い出して………さすがに断固拒否したら大泣きしてクローゼットに引きこもっちゃった。

排泄物は身体に悪影響しかないと思って、ロビンが大事だからそれは拒否した。

でも、ロビンの泣き声がずっとクローゼットから聞こえ………落ち着いてきてすすり泣きになっても、しばらくしたら大泣きに戻る。

なんとか説得しようにも効果はなくて………仕方ないから、水分はしっかり補給させている。

ちょっと、「ちゃんと水分補給しないとしばらくお話してあげないよ?」って言ったら、クローゼットから手だけ出して飲み物を受け取っていた。

ちょっと可愛いと思ったのは………まぁ仕方ないね。

食事の時間。
一人で食事をするのは虚しくて、ロビンも食事はいらないと言っているから僕も食べない。

ロビンがいない(クローゼットの中にいるけど)と、僕の味覚は狂ってしまうみたいだ。

お茶の味がしない。
お菓子の味もしない。
試しに塩を舐めてみたけど、味がしない。

ロビンがいないショックは、確実に僕にダメージを与えて壊していく。

ちなみに、ロビンはトイレとお風呂の時はちゃんと出て来ている。

…………終わったらクローゼットに戻るけど。


ケンカして三日目。

僕は倒れた。

最初は味覚だけだったけど、次は具合が悪くなって吐いた。

何度も吐いて、苦しくて、いろんなところが痛くなった。

頭、胸、お腹…痛くて痛くて、ロビンがいない不安が僕を狂わせ………悪魔の囁きを僕に聞かせる。

「もうロビンは僕を嫌いになった」
「ロビンは僕を捨てる」
「僕はもうロビンのいらない物」
「僕はもうガラクタだ」
「もう僕に生きる価値はない」

「じゃあ…もう僕は死んだ方がいいのかな?」

不安な僕の気持ちは、ロビンの愛を信じられない。

理性の残る僕の気持ちは、ロビンの愛を信じている。

だけど、不安が強すぎて意識を保てなくなって………倒れた。

理性の頑張りで、ロビンを傷つけてはいないけど………これはこれでロビンを傷つけてしまう。

ごめんね………ロビン………。

お願いだから………泣かないで………。

仲直り………したら………一緒に……………。


……………。




「………ユリウス?」
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