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3◆ラグナー視点
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国の宰相ラグナー・ロベルトは困惑している。
何故なら、拾ってはいけない物を拾ってしまったからだ。
それは………男なら理解してもらえるかもしれない。
廊下にハンカチが落ちていたんだ。
私は当然、落し物を拾った。
拾った最初の感想は、『ヌッチョリ』だ。
ヌッチョリと濡れていた。
正確には、白いネバネバな液体で濡れていたんだ。
……青臭い匂いは、拾ってから気づいた。
………そして、よくみるとハンカチじゃなくて………下着…つまりパンツだった。
どうみても…使用(性的)された男物のパンツ。
(ど…どうしましょうか?こんな卑猥な物を持っていたら変態だと思われる!!)
私は、これをどうしたらいいのかを考えていたが………タイムリミットはもう来ていたらしい。
「あ!ラグナーが拾ってくれたのかな?そのオヤツパンツは私の落し物だ。拾ってくれてありがとう!」
……………。
王太子殿下であるロビン様が手を差し出している。
いや、ちょっと待て?
オヤツパンツってなんだ?
そんな言葉は聞いたことがない。
「あ、あの……失礼ながら…オヤツパンツとはなんですか?」
「ユリウスの脱いだ下着に、ユリウスの精液をぶっかけてもらった至福のオヤツのことだ」
「…………」
「ラグナー様、ご理解ください」
ロビン様は無邪気に微笑み、私は絶句して、ユリウス様は苦笑している。
「な………何故、落ちて……いたの…ですか?」
ロビン様がユリウス様に対して異常だということは、もはや周知のことだが………。
ま…まさか、ロビン様は………パンツをオヤツとしてお食べになるほど変態になっているのか………?
しかも、こんなにヌッチョリしている男物パンツを………。
「ユリウスと今夜のプレイの話で盛り上がって、落としたようなんだ」
ロビン様が頬を赤く染めて、色っぽい吐息を吐いた。
私はそっと、パンツをロビン様にお返しした。
できれば、このヌルヌルしている手を早く洗いたい。
「それにしても、ラグナーは賢いな。さすがは我が国の宰相だ」
突然、ロビン様に笑顔で褒められて……何故今褒められたのかがわからない。
首を傾げていると………。
「もし、持ち逃げしたり、捨てたりしたら今頃ラグナーを騎士団の飢えた狼の餌にしなければいけなかったからね!ラグナーが賢くて本当に良かった」
…………。
今日一番のゾっとする話だった。
意味はこうだ。
性的に飢えた騎士たちに、恋愛対象が女性の私を、慰み者にしていたかもしれない。
私は、いつのまにやら自分の尻を守っていたことに激しく安堵した。
何故なら、拾ってはいけない物を拾ってしまったからだ。
それは………男なら理解してもらえるかもしれない。
廊下にハンカチが落ちていたんだ。
私は当然、落し物を拾った。
拾った最初の感想は、『ヌッチョリ』だ。
ヌッチョリと濡れていた。
正確には、白いネバネバな液体で濡れていたんだ。
……青臭い匂いは、拾ってから気づいた。
………そして、よくみるとハンカチじゃなくて………下着…つまりパンツだった。
どうみても…使用(性的)された男物のパンツ。
(ど…どうしましょうか?こんな卑猥な物を持っていたら変態だと思われる!!)
私は、これをどうしたらいいのかを考えていたが………タイムリミットはもう来ていたらしい。
「あ!ラグナーが拾ってくれたのかな?そのオヤツパンツは私の落し物だ。拾ってくれてありがとう!」
……………。
王太子殿下であるロビン様が手を差し出している。
いや、ちょっと待て?
オヤツパンツってなんだ?
そんな言葉は聞いたことがない。
「あ、あの……失礼ながら…オヤツパンツとはなんですか?」
「ユリウスの脱いだ下着に、ユリウスの精液をぶっかけてもらった至福のオヤツのことだ」
「…………」
「ラグナー様、ご理解ください」
ロビン様は無邪気に微笑み、私は絶句して、ユリウス様は苦笑している。
「な………何故、落ちて……いたの…ですか?」
ロビン様がユリウス様に対して異常だということは、もはや周知のことだが………。
ま…まさか、ロビン様は………パンツをオヤツとしてお食べになるほど変態になっているのか………?
しかも、こんなにヌッチョリしている男物パンツを………。
「ユリウスと今夜のプレイの話で盛り上がって、落としたようなんだ」
ロビン様が頬を赤く染めて、色っぽい吐息を吐いた。
私はそっと、パンツをロビン様にお返しした。
できれば、このヌルヌルしている手を早く洗いたい。
「それにしても、ラグナーは賢いな。さすがは我が国の宰相だ」
突然、ロビン様に笑顔で褒められて……何故今褒められたのかがわからない。
首を傾げていると………。
「もし、持ち逃げしたり、捨てたりしたら今頃ラグナーを騎士団の飢えた狼の餌にしなければいけなかったからね!ラグナーが賢くて本当に良かった」
…………。
今日一番のゾっとする話だった。
意味はこうだ。
性的に飢えた騎士たちに、恋愛対象が女性の私を、慰み者にしていたかもしれない。
私は、いつのまにやら自分の尻を守っていたことに激しく安堵した。
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