僕の能力は[縁結び]ただし、BL限定ですけどね！！

10◆ユラ視点

さて………。

僕の仕事についてですが、とりあえずギルドの酒場で雇ってもらえることが決まりました。

住み込みでも大丈夫なので、とても有り難いです。

この事に関して、ヤタお兄ちゃんがとても盛り上がっていました。

そして、ザラストさんとルカさんはまるで僕の保護者のように、僕を心配してくれました。

ヤタお兄ちゃんに何かされたら真っ先に言うんだよとか、何なら悲鳴をあげるんだよとか、何なら護身術を教えようかとか………。

ヤタお兄ちゃん、とても信用されていません………。

「ユラ、お菓子を開けると言われても、ついて行ったらダメだからね？」

「ルカさん………」

ルカさんの中で、僕の年齢は子供で固定されているようですね。

いつになったら大人と認識してもらえるのか、僕にはもうわかりません。



そういえば………。

マスターから聞いたんですが……先ほどの酔っ払いのおじさんですけれど、片想いが両思いになったそうです。

もしかしてと思って相手の人の性別を聞いてみたら、男性でした。

これはもしかしたら、僕の能力を発揮したのでしょうか？

でも、能力を使った感覚がないのでたまたまかもしれないですね。

きっと、おじさんの長年の努力が実ったのでしょう！



マスターのダニエルさんは、お子さんの着なくなった服を僕に貸してくれました。

とても有り難いので、それが子供服だとしても僕は気にしないことにしました。

もうこの際、気にしたら負けだと諦めます。

「もっと若返ったな！6歳ぐらいだろうか？」

「ザラストさん、そんなにですか………？」

もう、乾いた笑いしか出ない僕でした。