その令嬢は勇者

ミクリ21

文字の大きさ
上 下
3 / 4

3◆レイラック視点

しおりを挟む
勇者に選ばれたアスタリアは、実は俺達魔王と四天王と面識がある。

しかし、残念ながらアスタリアは俺達を忘れているようだ。

………思い出してくれないかな?

あれは、アスタリアがまだ5歳の頃だったな。


~レイラックの回想~

当時の俺は、後の四天王の四人を連れて森で遊んでいたんだ。

そんな時、一人の少女に出会った。

彼女の名前はアスタリア。

後の勇者だ。

アスタリアは、森の中で一人でさ迷っていた。

「うぅ……どこに、どこにあるんですの………?」

必死に何かを探している。

俺達は、なんとなく彼女が心配で後をつけていた。

しかし、俺達は話かけることにしたんだ。

だって、気になるあの子と話してみたいからさ!

もちろん、人族の姿に見た目を変えてからだ。

「何を探している?」

「え?……ホワイトマリアですわ」

ホワイトマリアとは、万病に効くとされる幻の花だ。

この森にあるという伝説ならあるが、俺は一度もみたことがない。

この森でいつも遊んでいるんだけどな。

「どうして探している?」

「お兄様が病気なの……熱が高くて、もう三日も意識がありませんの」

なるほど。

兄を心配して、ホワイトマリアを求めていたのか。

「なら、俺が治してやる。その代わり………」

俺は、その日アスタリアの兄を治してやった。

………ある条件と引き換えに。

『治してやる代わりに、俺の嫁になれ』

~回想終わり~


アスタリアが勇者になるなんて、あの頃は当然だが知らなかった。

俺は、アスタリアに一目惚れをしてしまったから嫁になれと言ったんだ。

だが、アスタリアが勇者になってしまって俺はビックリした。

アスタリアと魔王の俺が戦う………?

ふざけんなよ!!

俺は、アスタリアと戦う未来なんて受け入れない。

だがら、俺は四天王の四人を連れて勇者パーティーに志願したんだ。

魔族特有の見た目なら、幻覚魔術で人族の見た目に変えられる。

まぁ、アスタリア以外には偽名と嘘の出身地等々、人族としていろんな偽装をした。

アスタリア以外はどうでもいいからな。
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしようもない幼馴染が可愛いお話

下菊みこと
恋愛
可愛いけどどうしようもない幼馴染に嫉妬され、誤解を解いたと思ったらなんだかんだでそのまま捕まるお話。 小説家になろう様でも投稿しています。

たとえこの想いが届かなくても

白雲八鈴
恋愛
 恋に落ちるというのはこういう事なのでしょうか。ああ、でもそれは駄目なこと、目の前の人物は隣国の王で、私はこの国の王太子妃。報われぬ恋。たとえこの想いが届かなくても・・・。  王太子は愛妾を愛し、自分はお飾りの王太子妃。しかし、自分の立場ではこの思いを言葉にすることはできないと恋心を己の中に押し込めていく。そんな彼女の生き様とは。 *いつもどおり誤字脱字はほどほどにあります。 *主人公に少々問題があるかもしれません。(これもいつもどおり?)

溺愛される妻が記憶喪失になるとこうなる

田尾風香
恋愛
***2022/6/21、書き換えました。 お茶会で紅茶を飲んだ途端に頭に痛みを感じて倒れて、次に目を覚ましたら、目の前にイケメンがいました。 「あの、どちら様でしょうか?」 「俺と君は小さい頃からずっと一緒で、幼い頃からの婚約者で、例え死んでも一緒にいようと誓い合って……!」 「旦那様、奥様に記憶がないのをいいことに、嘘を教えませんように」 溺愛される妻は、果たして記憶を取り戻すことができるのか。 ギャグを書いたことはありませんが、ギャグっぽいお話しです。会話が多め。R18ではありませんが、行為後の話がありますので、ご注意下さい。

貴方が選んだのは全てを捧げて貴方を愛した私ではありませんでした

ましゅぺちーの
恋愛
王国の名門公爵家の出身であるエレンは幼い頃から婚約者候補である第一王子殿下に全てを捧げて生きてきた。 彼を数々の悪意から守り、彼の敵を排除した。それも全ては愛する彼のため。 しかし、王太子となった彼が最終的には選んだのはエレンではない平民の女だった。 悲しみに暮れたエレンだったが、家族や幼馴染の公爵令息に支えられて元気を取り戻していく。 その一方エレンを捨てた王太子は着々と破滅への道を進んでいた・・・

姉の代わりでしかない私

下菊みこと
恋愛
クソ野郎な旦那様も最終的に幸せになりますので閲覧ご注意を。 リリアーヌは、夫から姉の名前で呼ばれる。姉の代わりにされているのだ。それでも夫との子供が欲しいリリアーヌ。結果的に、子宝には恵まれるが…。 アルファポリス様でも投稿しています。

頑張らない政略結婚

ひろか
恋愛
「これは政略結婚だ。私は君を愛することはないし、触れる気もない」 結婚式の直前、夫となるセルシオ様からの言葉です。 好きにしろと、君も愛人をつくれと。君も、もって言いましたわ。 ええ、好きにしますわ、私も愛する人を想い続けますわ! 五話完結、毎日更新

【完結】悪役令嬢になるはずだった令嬢の観察日記 

かのん
恋愛
 こちらの小説は、皇女は当て馬令息に恋をする、の、とある令嬢が記す、観察日記となります。  作者が書きたくなってしまった物語なので、お時間があれば読んでいただけたら幸いです。

貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後

空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。 魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。 そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。 すると、キースの態度が豹変して……?

処理中です...