兎の国の王子と狼の国の王女〜兎が狼を追いかけてもいいじゃないか！〜

1◆マルチェス視点

この世界は、獣人達が住む世界。

もふっとした獣人も、耳と尻尾だけがもふっとしている獣人もいる。

獣人達はそれぞれの種族で国を造り、多種族とも友好的に暮らしていた。



僕はマルチェス・ラビット。

兎の国ラビットの王子で、只今恋する兎だよ！

白い髪と赤い瞳は、ラビットの王族カラーなんだ。

だから僕も、白い髪に赤い瞳をしている。

ちなみに、全身もふっとタイプの獣人だよ。

僕が片思い中の相手は、狼の国ウルフの王女であるラピス・ウルフだ。

ウルフの王族カラーは、銀の髪に金の瞳。

可愛いというより、カッコいいタイプの乙女だよ。

あと、ラピスも全身もふっとタイプの獣人。



彼女との出会いはつい最近。

ウルフの有名なジャンボパフェを食べにいったことで出会ったんだ。

ラピスもその時、男装姿でジャンボパフェを食べに来ていたからね！

無事に食べ終わった後に、彼女に一目惚れしていた僕は名前を聞いた。

まさか王女が男装して、一人でジャンボパフェ食べに来ているとは思っていなかったから、最初はびっくりしたなぁ。

ちなみに、ラビットとウルフはお隣同士の国でとても仲良しだったりする。

初対面だった理由は、だいたい王族の代表なんて王と王妃と王太子ぐらいだからだ。

だから、他の王子や王女はほぼ初対面なんだよ。

僕も他国の王族とこうしてご対面するのは数える程しかない。

ちなみに、僕は第3王子でラピスが第2王女だよ。



長い兎耳をピコピコさせながら、ラピスを想ってラブレターを書く。

毎日書くけれど、返事は一週間に一回しか返ってこない。

そろそろラブレターだけじゃなくて、贈り物も渡したいな。

ラピスは、どんなものなら喜んでくれるんだろうか？