2 / 4
2◆ルーゼン視点
しおりを挟む
私はランスに、まずは少年用の服を着せた。
白いワンピースみたいな服を着ていたランスだが、野良魔王のその白いワンピースは一種の産着のようなものらしい。
なので、このワンピースは大切に保管することにしよう。
「ランス、ご飯食べようか」
「うん」
私に抱きついて離れないランスを可愛いと思いつつ、料理長に子供向けの料理を作ってもらった。
ランスの見た目が少年だから、子供向けがいいかなとなんとなく思ったんだ。
ちなみに、見た目年齢は十代前半といったところだな。
野良魔王は見た目が年齢で変化しないらしいから、何年生きてもランスは少年の姿のままということになる。
一応、ランスにどのぐらい生きているかを聞いたら、最近生まれたぐらいしかわかっていなかった。
私とランスは一緒に入浴をすることにしたが、ランスが私の身体をみて怖がらないかちょっと不安だ。
何故なら、私は最近大怪我を負ったから………。
その大怪我は、もう包帯は取れたけど傷痕が残り、未だに怪我の後遺症が私にはある。
私の背中の剣で斬られた傷痕。
それは、幼い弟を守るために負った怪我。
弟を守ったことを後悔した日はない。
私が守らなかったら、弟は間違いなく死んでいただろうから………。
私ですら、しばらく生死をさ迷う大怪我だったんだ。
幼い弟を守ることができて、私は良かったと思っている。
ただ……弟の目の前で斬られ、血を流し、倒れた私を弟がどう思っているのかはわからない。
まだ幼い子供にとって、それはトラウマになってもおかしくないショッキングな光景だったことだろう。
弟は元気だとお父様の手紙には書かれていたけど、心配だな………。
白いワンピースみたいな服を着ていたランスだが、野良魔王のその白いワンピースは一種の産着のようなものらしい。
なので、このワンピースは大切に保管することにしよう。
「ランス、ご飯食べようか」
「うん」
私に抱きついて離れないランスを可愛いと思いつつ、料理長に子供向けの料理を作ってもらった。
ランスの見た目が少年だから、子供向けがいいかなとなんとなく思ったんだ。
ちなみに、見た目年齢は十代前半といったところだな。
野良魔王は見た目が年齢で変化しないらしいから、何年生きてもランスは少年の姿のままということになる。
一応、ランスにどのぐらい生きているかを聞いたら、最近生まれたぐらいしかわかっていなかった。
私とランスは一緒に入浴をすることにしたが、ランスが私の身体をみて怖がらないかちょっと不安だ。
何故なら、私は最近大怪我を負ったから………。
その大怪我は、もう包帯は取れたけど傷痕が残り、未だに怪我の後遺症が私にはある。
私の背中の剣で斬られた傷痕。
それは、幼い弟を守るために負った怪我。
弟を守ったことを後悔した日はない。
私が守らなかったら、弟は間違いなく死んでいただろうから………。
私ですら、しばらく生死をさ迷う大怪我だったんだ。
幼い弟を守ることができて、私は良かったと思っている。
ただ……弟の目の前で斬られ、血を流し、倒れた私を弟がどう思っているのかはわからない。
まだ幼い子供にとって、それはトラウマになってもおかしくないショッキングな光景だったことだろう。
弟は元気だとお父様の手紙には書かれていたけど、心配だな………。
60
お気に入りに追加
63
あなたにおすすめの小説
運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…
こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』
ある日、教室中に響いた声だ。
……この言い方には語弊があった。
正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。
テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。
問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。
*当作品はカクヨム様でも掲載しております。
家を追い出されたのでツバメをやろうとしたら強面の乳兄弟に反対されて困っている
香歌奈
BL
ある日、突然、セレンは生まれ育った伯爵家を追い出された。
異母兄の婚約者に乱暴を働こうとした罪らしいが、全く身に覚えがない。なのに伯爵家当主となっている異母兄は家から締め出したばかりか、ヴァーレン伯爵家の籍まで抹消したと言う。
途方に暮れたセレンは、年の離れた乳兄弟ギーズを頼ることにした。ギーズは顔に大きな傷跡が残る強面の騎士。悪人からは恐れられ、女子供からは怯えられているという。でもセレンにとっては子守をしてくれた優しいお兄さん。ギーズの家に置いてもらう日々は昔のようで居心地がいい。とはいえ、いつまでも養ってもらうわけにはいかない。しかしお坊ちゃん育ちで手に職があるわけでもなく……。
「僕は女性ウケがいい。この顔を生かしてツバメをしようかな」「おい、待て。ツバメの意味がわかっているのか!」美貌の天然青年に振り回される強面騎士は、ついに実力行使に出る?!
美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした
亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。
カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。
(悪役モブ♀が出てきます)
(他サイトに2021年〜掲載済)
皇帝の立役者
白鳩 唯斗
BL
実の弟に毒を盛られた。
「全てあなた達が悪いんですよ」
ローウェル皇室第一子、ミハエル・ローウェルが死に際に聞いた言葉だった。
その意味を考える間もなく、意識を手放したミハエルだったが・・・。
目を開けると、数年前に回帰していた。
君と秘密の部屋
325号室の住人
BL
☆全3話 完結致しました。
「いつから知っていたの?」
今、廊下の突き当りにある第3書庫準備室で僕を壁ドンしてる1歳年上の先輩は、乙女ゲームの攻略対象者の1人だ。
対して僕はただのモブ。
この世界があのゲームの舞台であると知ってしまった僕は、この第3書庫準備室の片隅でこっそりと2次創作のBLを書いていた。
それが、この目の前の人に、主人公のモデルが彼であるとバレてしまったのだ。
筆頭攻略対象者第2王子✕モブヲタ腐男子
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる