パンツ売りの変態が追いかけてきた！？

28◆ルチル視点

「ふえぇん！ルチル様、どうしてあんなことを言うんですか！？僕達、このままでは国に帰れないじゃないですか！！」

私の可愛いベルモット。

ベルモットはまだ、わかっていないのかしら？

そんなおバカなところも、可愛くて私は好きよ。

「別に帰れなくても困らないわ。ベルモットのことは、私が養うから安心してね」

「え！？」

ビックリして時が止まってしまっている可愛い私のベルモットの頬を、私は優しく撫でてあげた。



「ねぇ、ベルモット。私と結婚して、新しい家庭を築きましょう。きっと素敵な家庭になるはずよ」

「ルチル様……からかわないでください………」

「からかっていないわ。ずっと前から愛していたの。ベルモット、必ず幸福にしてみせるわ。だから、私の夫になって……。妻でも大丈夫よ！」

どうせ、国には戻れないのよ。

シルク様には、欠片も戻る意思がないのだから………。

ベルモット、シルク様のことは諦めてね？

「ベルモット、愛しているの。私、本気なのよ」

「ルチル様………」

ベルモットは、困惑の眼差しを私に向けた。



グイグイ押すことは大事だけれども、時には引くことも大事だということを私は知っているの。

だから、私は一旦引いてみるわ。

「迫りすぎちゃったわね。ごめんなさい。ちょっと、夜風で頭を冷やすわ………」

「あ……」

ションボリという雰囲気で、トボトボと歩くのがポイントよ！

ベルモットが私を気にするように、落ち込む姿を晒すのよ！

「ルチル様、僕……ちゃんと考えます」

「ベルモット……考えてくれるの？」

「ぜ……善処します………」

「ベルモット……ありがとう………」

ここで、わざと涙をポロリと溢すのよ。

すると、あっさりとベルモットは騙されて私を慰めようとしてくれる。

………ふふ、本当に可愛いわね。

こんなにあっさり騙される子だから、悪い人に騙されないように私が目を光らせていないとね？