鏡を鑑定したら魔王が僕にロックオン！？

6◆ギルバート視点

俺はギルバート・ブラックファイア(18)で、ウィリアムの兄だ。

今から、愛しのウィリアムと出来立てマフィンを食べようと思っている。

ウィリアムは甘い物が好きだから、俺はウィリアムのために料理も菓子作りも完璧にマスターした。

すべてはウィリアムの可愛い笑顔のためだ。

あぁ、俺のウィリアム。

お兄ちゃんが、あーんって食べさせてあげるからね！

だが、部屋について違和感を感じた。

結界が張られている………？

ウィリアムに結界を張る力はない。

つまり………ウィリアムが何者かに襲われているということか！？


～妄想～

「いやー！やめてー！」

ベッドに組み敷かれたウィリアムは、変態野郎に服を無理矢理脱がされ涙を流す。

「へっへっへっ！大人しくしな！誰も助けには来ないぜ！」

変態野郎はウィリアムの涙を自身のヨダレで汚し、ウィリアムを怯えさせている。

「お兄ちゃん助けて！」

兄を必死に呼ぶか弱いウィリアムに、変態の汚い下半身が露出されて………。

～妄想終了～


駄目だ駄目だ駄目だーーー！！

ウィリアムは、きっと怯えて泣いているだろう。

あぁ、どうしてもっと早くに気づいてあげられなかったんだ！

ウィリアム、今お兄ちゃんが助けるからね！

俺は、扉に向かって魔力を練り上げ痛恨の一撃を扉に繰り出した。

「闇より舞い上がりし暗黒の炎 ブラックファイア！」

我がブラックファイア家の必殺技である[ブラックファイア]は、炎属性ではなく闇属性だ。

どんな結界でも打ち破れるが、闇属性持ちでなければ使用できない。

ウィリアムは属性を持っていなかったから、これを使えないんだ。

結界は、パリンッ！と音がして破れ去った。

そして、扉を開くとそこには………見た目はイケメンだが襲撃してきた変態野郎だろう男がウィリアムに迫り、ウィリアムは涙目になっていた。

「俺のウィリアムに何してくれとんじゃー！！」

俺の額に青筋が出ているのは、当然だ。