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魔王は苦労性
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盗賊頭マリナンは、勇者アリシアが好きだ。
しかし、アリシアは魔王ヨルンのことが好きだ。
そんな三人の口説き口説かれの話。
「アリシア。ヨルンなんてつまらない男やめて、俺にしておけよ。俺ならお前を楽しませてやれるぜ」
マリナンは、アリシアの肩を抱くとその耳元に甘く囁いた。
マリナンは、ワイルドなタイプのイケメンだ。
しかし、アリシアはそんなマリナンの手を払い退けると、蔑むような眼差しを向けて舌打ちをした。
「止めてくれます?あんさんのような男、趣味じゃないんですわ。汚らわしい手で私に触れないでほしいものですわぁ」
アリシアは、住んでいた地域の言葉がとても愛嬌のある美青年だ。
ハキハキと自分の気持ちを喋る素直なタイプで、はっきりとマリナンのことを冷たく睨む。
愛情の欠片もない眼差しだが、その眼差しがマリナンに好かれる原因でもあった。
マリナンは実はドMなのだ。
しかし、アリシアはそのことに気づいていない。
そして、アリシアは隣に座るヨルンにしな垂れた。
ちなみに、ヨルンは優美なタイプのイケメンだ。
「ヨルン、野蛮な男がしつこいわぁ!私とヨルンの逢瀬を邪魔するいけ好かない男は、馬に蹴られてしまえばいいんですわぁ!」
「………アリシア、お前が勝手に居座っているだけで、これは逢瀬ではない」
「ヨルンったら!恥ずかしがって、可愛いわぁ!愛しとります!」
アリシアはヨルンの部屋に居座り、一方的に言い寄っている。
そんなアリシアを追いかけて、マリナンもヨルンの部屋に居座っている。
マリナンとアリシアの出会いは、盗賊頭退治の時だった。
「あんさんですな?悪さばっかしてるお人は。みるからに野蛮そうな小汚い男やわぁ!」
マリナンは、アリシアの蔑む眼差しと蔑む言葉に運命を感じた。
一度アリシアに倒されてからというもの、アリシアをストーカーしてどこまでも追い続けて、魔王城まで追いかけてきた。
アリシアとヨルンの出会いは、魔王討伐のために魔王城に乗り込んだ時だ。
「よく来たな勇者よ」
「好きですわぁ!結婚してぇ!」
「………勇者よ、何しに来たのだ?」
ヨルンに惚れたアリシアは、それからずっとヨルンを口説いている。
………魔王城に居座って。
アリシアを追いかけてきたマリナンも、アリシアを口説いている。
………魔王城に居座って。
「………お前達、帰ってくれないか?いつまでいる気だ」
「ヨルンが私の男になるまでに決まっとります」
「アリシアが俺のモノになるまでに決まっているだろ?」
「………はぁ」
魔王ヨルンの苦労は、たぶん終わらない。
チャンチャン♪
しかし、アリシアは魔王ヨルンのことが好きだ。
そんな三人の口説き口説かれの話。
「アリシア。ヨルンなんてつまらない男やめて、俺にしておけよ。俺ならお前を楽しませてやれるぜ」
マリナンは、アリシアの肩を抱くとその耳元に甘く囁いた。
マリナンは、ワイルドなタイプのイケメンだ。
しかし、アリシアはそんなマリナンの手を払い退けると、蔑むような眼差しを向けて舌打ちをした。
「止めてくれます?あんさんのような男、趣味じゃないんですわ。汚らわしい手で私に触れないでほしいものですわぁ」
アリシアは、住んでいた地域の言葉がとても愛嬌のある美青年だ。
ハキハキと自分の気持ちを喋る素直なタイプで、はっきりとマリナンのことを冷たく睨む。
愛情の欠片もない眼差しだが、その眼差しがマリナンに好かれる原因でもあった。
マリナンは実はドMなのだ。
しかし、アリシアはそのことに気づいていない。
そして、アリシアは隣に座るヨルンにしな垂れた。
ちなみに、ヨルンは優美なタイプのイケメンだ。
「ヨルン、野蛮な男がしつこいわぁ!私とヨルンの逢瀬を邪魔するいけ好かない男は、馬に蹴られてしまえばいいんですわぁ!」
「………アリシア、お前が勝手に居座っているだけで、これは逢瀬ではない」
「ヨルンったら!恥ずかしがって、可愛いわぁ!愛しとります!」
アリシアはヨルンの部屋に居座り、一方的に言い寄っている。
そんなアリシアを追いかけて、マリナンもヨルンの部屋に居座っている。
マリナンとアリシアの出会いは、盗賊頭退治の時だった。
「あんさんですな?悪さばっかしてるお人は。みるからに野蛮そうな小汚い男やわぁ!」
マリナンは、アリシアの蔑む眼差しと蔑む言葉に運命を感じた。
一度アリシアに倒されてからというもの、アリシアをストーカーしてどこまでも追い続けて、魔王城まで追いかけてきた。
アリシアとヨルンの出会いは、魔王討伐のために魔王城に乗り込んだ時だ。
「よく来たな勇者よ」
「好きですわぁ!結婚してぇ!」
「………勇者よ、何しに来たのだ?」
ヨルンに惚れたアリシアは、それからずっとヨルンを口説いている。
………魔王城に居座って。
アリシアを追いかけてきたマリナンも、アリシアを口説いている。
………魔王城に居座って。
「………お前達、帰ってくれないか?いつまでいる気だ」
「ヨルンが私の男になるまでに決まっとります」
「アリシアが俺のモノになるまでに決まっているだろ?」
「………はぁ」
魔王ヨルンの苦労は、たぶん終わらない。
チャンチャン♪
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