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夏休み

66◆杏視点

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3日目。

今日は、皆で水族館に観光に来た。

イルカ、ペンギン、シャチ、アシカ。

魅力的な生き物達を皆でみるのは、なかなか楽しいものがある。

あまり俺とは関係のないものだったけれど、こういうのも悪くはないね。



俺の生きる世界は、こんな平和な世界じゃない。

闇組織のリーダーの俺には、光のある世界は眩しいものだ。

裏切り者には制裁を………。

刃向かう者には容赦なく………。

良くないことに手を出した犯罪者。

そんな俺が、こんな風に生きるのは本来なら相応しくない。

俺は、闇に生きてこそなんだ。

………だから、梓を手に入れたら闇の世界に帰るつもりだ。



「水族館すごかったな!綺麗だった」

梓はとても楽しかったのか、嬉しそうに何がすごかったのかとか、どれが綺麗だったかとか、楽しそうに語っている。

「僕は、シャチが一番かっこいいと思いました」

純也がシャチの良さについて語るが、俺はどちらかというとペンギンが良かったように思う。

………焼いたら美味しそうだったから。

「僕はそういうのよりも、梓にもっと萌えを提供してほしかったよ。もっとイチャイチャすべきだ!もっと色っぽいことしてよ!エロ同人みたいな!エロ同人みたいな!!」

「無理だからな!?」

咲夜は、あまり自分の求めるものがなかったようでちょっと怒っている。

しかし………エロ同人みたいな展開を期待されても、ヤりたいと思ってもそう簡単にできるものじゃないよ?



まぁ、それでも結局は楽しい一日だった。
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