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夏休み

58◆梓視点

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兄ちゃんの作った食事を久しぶりに食べて、やっぱり兄ちゃんの作った食事は一番美味しいって俺は思った。

兄ちゃんは俺の大好きな物ばかり作ってくれて、俺と兄ちゃんと若葉さんだけで食べきれるかちょっと心配だったけど、それは杞憂だった。

大の若い男が三人もいたら、むしろ無くなるスピードの方がすごく早かった。

そして、俺はおかわりを兄ちゃんにお願いした。

お…美味しいんだもん!!

あぁ、兄ちゃんに早く春が来るといいな………。

兄ちゃんは、俺からみても最高の兄ちゃんなんだよ。

………重度のブラコンがなければ。

いつか、兄ちゃんのハートを射止める素敵な出会いがありますように!

なんなら、男の人でもいいから!



「梓様、宿題はお早めに仕留めてくださいね」

「若葉さん、いつも言うけど……仕留めるって言葉は……物騒だよ………」

「ふふっ!」

若葉さんは、たまに俺のことも物騒な言葉でからかうんだ。

優しい人なんだけど、意地悪する時が一番輝いている。

それが、若葉さんだ。
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