平凡ハイスペックのマイペース少年！〜王道学園風〜

1学期

43◆遥視点

俺の梓……俺のマイスイートプリティエンジェル梓……会いたいよぉ………！！

お兄ちゃんの梓ゲージはもう0よ！

「若葉」

「ダメですよ」

「若葉」

「それが終わったら、次はこちらですからね。仕事はまだまだありますよ」

若葉はニコリと微笑んだ。

まさに、天使の皮を被った死神のようだ！

「鬼ーーー！！(泣)」

梓に持たせたお守りの盗聴器から、梓の可愛い声と梓に群がる悪い虫共の声が聞こえる。

梓が楽しそうなのは、お兄ちゃん嬉しいよ。

でも、俺も梓と遊びたいよ！

梓と寝たいよ！

「せめて梓の、ストーカーの不法浸入者だけでも排除を………」

「遥様はハリセンよりも、ビンタをご所望ですか？」

「………仕事します」



厳しいけど、若葉は有能なんだよ。

鬼のように厳しいけど、できる男なんだよ。

鬼畜って言葉は、きっと若葉のために………。

「遥様、褒めるのか貶すのかハッキリしてください。鬼だの鬼畜だの……そんなに暇なら、もっと仕事増やしますね」

「やめてーーー！？ごめんなさい！！」

というか、若葉はエスパーなのか！？

「エスパーではありません。目は口程に物を語ると、よく言うでしょう？」

！？

若葉がちょっと怖いと思った瞬間だった。