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1学期

36◆純也視点

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僕は、竜城君と仲良くなりたいから遊びに誘おうと思っていた。

だからその日の休み時間に、僕は竜城君に聞いてみた。

「休みの日に、遊びに行きませんか?」

二人でと言いたい気持ちはあったけど、断られるかもしれないからそれは言わなかった。

竜城君は嬉しそうに僕に微笑み、頷いた。

「いいよ。じゃあ、外出届け出さないとな!」

この学園は全寮制なので、外に出る時には外出届けが必要になる。

ちなみに、泊まりの場合は外泊届けも必要になる。

僕達がどこに行くかを話し合っていると、青山君と天波君も来て、一緒に行きたいと言い出した。

「俺も一緒に遊びたいな!」

爽やかに笑う青山君。

「はぁはぁ………君達のイチャイチャをみたいから、僕も一緒に行きたい!!」

天波君………ヨダレ出てるよ。

あの、目が完全に獲物を狙う肉食獣だよ。

美少女顔が、恐ろしく残念なことになっているよ?

失礼だから言わないけど………。

「では、4人で行きましょうか」

拒否したら、竜城君と仲良くなるチャンスを潰してしまうような気がした。

「賛成!」

竜城君も楽しそうに返事をしてくれたから、これで良かったはずだ。



しかし、この時の選択が間違っていたと後に思うことになるとは………この時は誰も思っていなかった。
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