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1学期

22◆梓視点

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新入生歓迎会というものが、近々あるらしい。

5月に行われるそれは、皆のお楽しみイベントだ。

どんなことをするのかは、主に生徒会と教師達で決められるそうだ。

まぁ、生徒会は生徒代表みたいなものだな!

大まかにいうと、皆で遊んで、パーティーでちょっと豪華な食事を食べる。

景品は、生徒会が叶えられる範囲なら、望むものを賞品としてもらえるらしいお願いチケット。

それか、食券1年分無料チケット。



「竜城君、新入生歓迎会って何をするんだろうね?」

青山は、何故か俺の頬をツンツンしながら聞いてきた。

ねぇ、ツンツンするのやめて?

……え?やめないの………あ、はい。

「当日までわからないらしいね~」

天波の方をみると、何故か写真を連写していた。

………目が、目が獰猛な肉食獣みたいな目だ!?

補食されそうで、俺は咄嗟に環の背中に隠れた。

………天波、何故俺と環の横に移動して、再び連写しているんだ。

「はぁはぁ。爽やか×平凡からの鬼畜×平凡!!たまらん!!ジュルリ」

天波、ヨダレヨダレ!!

「僕は鬼畜ではなくて、人畜無害な優等生です」

「あーはいはい」

………どうやら天波の中で、環のイメージは不良から鬼畜に変わったようだ。

環の望む人畜無害な優等生のイメージは、遠いなぁ………。

「俺もくっつくね!」

青山はそう言うと、俺の背中から抱き着いてきた。

これは………。

「ふおぉーーー!!鬼畜×平凡×爽やかだ!いや、爽やか×平凡×鬼畜かな?いいぞいいぞもっとやれ!」

天波大興奮につき、彼のスマホの連写が止む気配がない。



………あれ、そういえば俺達何の話してたっけ?

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