平凡ハイスペックのマイペース少年！〜王道学園風〜

1学期

4◆杏視点

竜城君の新入生代表挨拶に、ついクスッときてしまった。

あれは、絶対挨拶考えるの忘れてたんだろうな………。

まぁ、そんな些細なことはどうでもいい。

やっとこの日がきて、俺はすごく嬉しいから。

入学は、はっきり言ってどうでもいい。

俺は、彼のことが欲しいだけだから。

あの男が執着するただ一人の存在………弟の梓。

彼は、俺と自分の兄の関係なんて何も知らない………可愛いものだよね！

そのまま奪って、あの男の悔しがる顔が早くみたいなぁ。



竜城君、君に警戒されないように、爽やかな優しい人を演じてあげるよ。

そうだな………恨むなら、あの男かな？

それとも………ブラコンな兄から離れた自分自身かな？

俺は、心の中で笑みを浮かべた。