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9◆クライシス視点

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エリオットが邪神だった頃、邪神とは魔王を生み出すための存在だったそうです。

そして、魔王が魔物を生み出す存在なのです。

役目を終えていたエリオットは、本来ならユリアスに倒されるはずでした。

しかし、ユリアスがエリオットに一目惚れした瞬間に、未来は変わったのでしょうね。

役目を終えていても、エリオットの能力は下がりません。

ただ、邪神としての役割がなくなっただけです。

魔王を生み出すという役割が………。



「エリオット、クッキーを焼いたので後で食べましょうね」

「クライシスの作るクッキーって、聖水入りのやつ?」

「はい!張り切りました」

このパーティーの聖水とポーション系は、すべて私の力作です。

最高司祭たるもの、祈りだけしていればいいわけではありません。

聖水もポーション系も、作る際に手を抜くなどありえません。

ちなみに、当然ですが回復系の術も解呪系の術もお手のものです。

「クライシスのクッキーは癒しの味だよな!」

「聖水だけに?」

聖水には浄化の力がありますから、私はよく料理に使うんですよね。

ちなみに、邪神であるエリオットに聖水は効かないので、安心して食べて頂けます。



邪神に唯一ダメージを与えられるのは、聖剣だけです。

そして、聖剣は持ち主を選びます。

聖剣がユリアスを選んだから、今の私達があるのですね。
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