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どちらかなんて選べない
どちらかなんて選べない23
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「じゃあ、今は類沢さんと一緒に暮らしてんのか」
話が早くて助かった。
しかし、やはり突っ込まれる点は出てくる。
「なんでそこに住まなきゃなの?」
「通えばよくない?」
「だよなぁ……」
俺もずっと悩んでいたことだよ、それは。
つい数分前までも。
忍が煙草を取り出したところで、拓が奪い取る。
「まだ駄目かよ」
「ナニ、忍禁煙中?」
舌打ちをする忍を横目に尋ねる。
「こいつ、こないだ健康診断で引っかかって今週末精密検査があるんだって」
「なにそれ、大丈夫?」
俺以外もこの二週間、事件はあったみたいだ。
口調は軽いが、拓はきっと気が気じゃないほど心配しているんだろう。
そういう関係だ。
「大丈夫に決まってんだろ。煙草もてめぇのが吸ってんじゃねえか」
「結果出るまでオレも禁煙禁酒だっての」
禁酒もか。
なるほど、いつもは缶ビールやチューハイが転がっている時間なのに部屋が綺麗な理由はそれか。
「脱線させんな。瑞希はいつ帰ってくんだよ」
ああ。
話題が戻ってしまった。
口を両手で押さえてもごもごと答える。
「たぶん……借金返し終わってからだから、再来月とかかな」
「それまでずっと類沢さんとこにいんのか!?」
みなまで言わないでほしい。
この二人に事情を話したときから予感はしていたいたが。
どんどん姿勢が低くなる。
「寂しくなんな」
「つーか、てめぇがシエラで働けばいいんじゃねえの?」
「あっ、名案」
「はあ!?」
意外すぎる展開に俺が叫ぶ。
二人はいいこと思いついた子供みたいに輝いている。
「そうだよ。オレ今仕事探してたんだ。あっでも、忍スカウトされたんだから……オレより素質あるんじゃね?」
「誰が女に媚びるかよ」
「怖いんか」
「うぜえ……じゃあ、なってやるよホスト! てめぇにだけは絶対負けねえからな」
「オレだって本気だしたら圧勝だぜ」
大変だ。
思考停止するほどの混乱が起きている。
この二人は俺の話を聞いていたんだろうか、本当に。
「すとおおおおっぷ! おかしいだろっ、なんで二人がホストになんだよ」
「なんか悪いか?」
悪いだろ。
あれ。
悪くないのか。
話が早くて助かった。
しかし、やはり突っ込まれる点は出てくる。
「なんでそこに住まなきゃなの?」
「通えばよくない?」
「だよなぁ……」
俺もずっと悩んでいたことだよ、それは。
つい数分前までも。
忍が煙草を取り出したところで、拓が奪い取る。
「まだ駄目かよ」
「ナニ、忍禁煙中?」
舌打ちをする忍を横目に尋ねる。
「こいつ、こないだ健康診断で引っかかって今週末精密検査があるんだって」
「なにそれ、大丈夫?」
俺以外もこの二週間、事件はあったみたいだ。
口調は軽いが、拓はきっと気が気じゃないほど心配しているんだろう。
そういう関係だ。
「大丈夫に決まってんだろ。煙草もてめぇのが吸ってんじゃねえか」
「結果出るまでオレも禁煙禁酒だっての」
禁酒もか。
なるほど、いつもは缶ビールやチューハイが転がっている時間なのに部屋が綺麗な理由はそれか。
「脱線させんな。瑞希はいつ帰ってくんだよ」
ああ。
話題が戻ってしまった。
口を両手で押さえてもごもごと答える。
「たぶん……借金返し終わってからだから、再来月とかかな」
「それまでずっと類沢さんとこにいんのか!?」
みなまで言わないでほしい。
この二人に事情を話したときから予感はしていたいたが。
どんどん姿勢が低くなる。
「寂しくなんな」
「つーか、てめぇがシエラで働けばいいんじゃねえの?」
「あっ、名案」
「はあ!?」
意外すぎる展開に俺が叫ぶ。
二人はいいこと思いついた子供みたいに輝いている。
「そうだよ。オレ今仕事探してたんだ。あっでも、忍スカウトされたんだから……オレより素質あるんじゃね?」
「誰が女に媚びるかよ」
「怖いんか」
「うぜえ……じゃあ、なってやるよホスト! てめぇにだけは絶対負けねえからな」
「オレだって本気だしたら圧勝だぜ」
大変だ。
思考停止するほどの混乱が起きている。
この二人は俺の話を聞いていたんだろうか、本当に。
「すとおおおおっぷ! おかしいだろっ、なんで二人がホストになんだよ」
「なんか悪いか?」
悪いだろ。
あれ。
悪くないのか。
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