62 / 137
超絶マッハでヤバい状況です
超絶マッハでヤバい状況です23
しおりを挟む
最初異変に気づいたのは、類沢ではなく紅乃木だった。
「最近の銃は重みが違うのう」
「口径もな。爺さんにゃ扱いきれねーんじゃねえの?」
「遊びで向けるのよしてくれません?」
吟や空牙たちが奪った銃を眺めるのを横目に、瑞希の不在を不審がる。
「みぃずき、遅くない?」
「え? あぁ、確かに」
千夏も玄関に目を遣る。
それを見咎めた類沢が席を立った。
「瑞希はどうしたの」
「大分前に酔いを醒ますって外に出たんですけど……」
騒ぎを感じ取った雛谷達も集まる。
すぐに全員が状況を理解した。
「類沢さんっ、もしかしたら……あれ瑞希さんの声だったかも」
そんな中でイヤホンを握り締めた三嗣が手を上げた。
この人数での発言は初だった。
NO.に入った者しか許されないが、今は店じゃない。
勇気を振り絞って、三嗣は自分が聞いた言葉を復唱した。
バタバタ。
小さな扉からスーツの男が次から次へと飛び出して来る様は、端から見たら異常だろう。
だが、構う者はいなかった。
シエラのホスト。
スフィンクスのオーナーと息子。
シャドウの二人。
雛谷と如月も。
全員が路上に出て周囲を探した。
「類沢さん!」
一夜が叫ぶ。
その手には、全員に配られたあのイヤホンがあった。
「攫われたってことか」
最後に店から出てきた篠田が冷たい声で言い放つ。
「……秋倉?」
「いや、類沢。今回呼び出して応答がなかったのはどこだ」
張り詰めた口調に空気も重くなる。
類沢はイヤホンを一瞥して記憶を探った。
「来るはずだったのは……ガーデンの連中だ」
「ガーデン? なんであんな奴等」
「よせ、空牙」
「あんな奴等?」
類沢が空牙に迫る。
その背後で篠田が溜め息を吐いた。
「噂は本当だったな」
「ナニ?」
「ガーデンは最近、ガヴィアと組み始めたって噂だ」
それが何を意味する。
類沢は口を開く前に思いだった。
「名義屋が出入りしていた……あのガヴィアと?」
「そういう訳だ。今回秋倉に口を割らせる時間が無かったが、秋倉自身は名義屋じゃない。裏幕はそっちだってことだ」
しかし疑問だらけだ。
「なんで、みぃずきを?」
包帯を押さえながら紅乃木が困惑した声で言う。
「おやおやおや……あんなに派手に噂が流れているではありませんか?」
「最近の銃は重みが違うのう」
「口径もな。爺さんにゃ扱いきれねーんじゃねえの?」
「遊びで向けるのよしてくれません?」
吟や空牙たちが奪った銃を眺めるのを横目に、瑞希の不在を不審がる。
「みぃずき、遅くない?」
「え? あぁ、確かに」
千夏も玄関に目を遣る。
それを見咎めた類沢が席を立った。
「瑞希はどうしたの」
「大分前に酔いを醒ますって外に出たんですけど……」
騒ぎを感じ取った雛谷達も集まる。
すぐに全員が状況を理解した。
「類沢さんっ、もしかしたら……あれ瑞希さんの声だったかも」
そんな中でイヤホンを握り締めた三嗣が手を上げた。
この人数での発言は初だった。
NO.に入った者しか許されないが、今は店じゃない。
勇気を振り絞って、三嗣は自分が聞いた言葉を復唱した。
バタバタ。
小さな扉からスーツの男が次から次へと飛び出して来る様は、端から見たら異常だろう。
だが、構う者はいなかった。
シエラのホスト。
スフィンクスのオーナーと息子。
シャドウの二人。
雛谷と如月も。
全員が路上に出て周囲を探した。
「類沢さん!」
一夜が叫ぶ。
その手には、全員に配られたあのイヤホンがあった。
「攫われたってことか」
最後に店から出てきた篠田が冷たい声で言い放つ。
「……秋倉?」
「いや、類沢。今回呼び出して応答がなかったのはどこだ」
張り詰めた口調に空気も重くなる。
類沢はイヤホンを一瞥して記憶を探った。
「来るはずだったのは……ガーデンの連中だ」
「ガーデン? なんであんな奴等」
「よせ、空牙」
「あんな奴等?」
類沢が空牙に迫る。
その背後で篠田が溜め息を吐いた。
「噂は本当だったな」
「ナニ?」
「ガーデンは最近、ガヴィアと組み始めたって噂だ」
それが何を意味する。
類沢は口を開く前に思いだった。
「名義屋が出入りしていた……あのガヴィアと?」
「そういう訳だ。今回秋倉に口を割らせる時間が無かったが、秋倉自身は名義屋じゃない。裏幕はそっちだってことだ」
しかし疑問だらけだ。
「なんで、みぃずきを?」
包帯を押さえながら紅乃木が困惑した声で言う。
「おやおやおや……あんなに派手に噂が流れているではありませんか?」
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説


お客様と商品
あかまロケ
BL
馬鹿で、不細工で、性格最悪…なオレが、衣食住提供と引き換えに体を売る相手は高校時代一度も面識の無かったエリートモテモテイケメン御曹司で。オレは商品で、相手はお客様。そう思って毎日せっせとお客様に尽くす涙ぐましい努力のオレの物語。(*ムーンライトノベルズ・pixivにも投稿してます。)

見ぃつけた。
茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは…
他サイトにも公開しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる